第22話

心強い隊員
1,415
2020/01/05 04:25
村田
な、何でしょう。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
うん、まずなんだけどね、完全に動ける隊員って君以外に何人いるかい?
村田
えっと…三人…ですね。
完全に、というのは、ほとんど無傷なこと。


村田くんも、所々小さな怪我はあるけれど、


走ってこれたんだし、大丈夫なのだろう。


でも、三人…


そうなると他の人達の怪我も気になるけど…
夜霧 蘭
夜霧 蘭
じゃあ言うよ、よく聞いて。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
残りの動ける、君含め四人は、
私と一緒に鬼を倒す。
村田
…!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
そして、残りの四人は重傷二人を背負い山を降りた後、本部へ無事を報告。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
そしたら藤の花の家紋の家に行くか、即蝶屋敷に。隠でも捕まえてどうにかしなさい。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
伝える紙が無いのであれば、
私の鴉と紙を使って。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
以上の事を仲間に伝えて、
鬼と交戦する私の元に必ず来ること。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
それが君の任務だ。
ここまで理解できたかい?
スラスラと言ってしまったが、


簡単な事。


四人は二人を連れ山を降りる。


四人は私と鬼の頚を切り落とす。


さて村田くん。


どうだろう。
村田
俺が、今出来ることがそれなら。
任せてください。必ずやり遂げます。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
うん、とても心強い。君はその心の強さ、誇って良いからね。
村田
ありがとうございます…!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
よし、それじゃあ鬼の所へ向かう。
お仲間の隊員も見つかると不味いんだろう?
村田
…!そうだ…。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
よし、じゃあ行ってきんさい。
阻む道は私が開こう。
村田
はいっ。
さっきの返事より、随分と芯のある強い返事。
やはりこうでなくては。
と、暫く走った後、
夜霧 蘭
夜霧 蘭
村田くん、私はこの道の先を行く。
隊員達は頼んだよ。
村田
必ず、そちらに行きます!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
あぁ、派手な音を鳴らして戦うし、
すぐ分かるさ。待ってるな。
村田
(派手…!)
村田
了解です!それでは!!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
あぁ!
にしても、とても心の強い隊員だったな。
村田くん…だっけ。
さて、鬼はど…


ヒュンッ!!!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
来た。
キィィンッという、刀の音が響く。


よしよし。
そして、ガサガサと音を立てながら、


私の目の前に現れた鬼は、


人の形では無かった。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
とりあえず、十二鬼月じゃないなら。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
助かるよ!
私は飛んでくる刃物の様な腕を避けながら、


腕を切り落としていく。
でも、頚を切るまでは手は生え続ける。
うん、体力もまだ有り余ってる。
これなら、大丈夫・・・かな。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
ほらほら!疲れてるのかい!?
ヴヴ…グヴォォォォッ!!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
哀れな。
どれだけ攻撃を撃たれても、避けれるからね。


ここが町ならそうは行かないけど。


これは、良い機会だから。
正直、型を打っても構わないんだけどね。
私の型は、周りにも被害行っちゃうから。


そしたら隊員達が逃げられないだろう。
さて、そろそろ。


村田くんが戻ってくる頃合い。

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