完全に、というのは、ほとんど無傷なこと。
村田くんも、所々小さな怪我はあるけれど、
走ってこれたんだし、大丈夫なのだろう。
でも、三人…
そうなると他の人達の怪我も気になるけど…
スラスラと言ってしまったが、
簡単な事。
四人は二人を連れ山を降りる。
四人は私と鬼の頚を切り落とす。
さて村田くん。
どうだろう。
さっきの返事より、随分と芯のある強い返事。
やはりこうでなくては。
と、暫く走った後、
にしても、とても心の強い隊員だったな。
村田くん…だっけ。
さて、鬼はど…
ヒュンッ!!!
キィィンッという、刀の音が響く。
よしよし。
そして、ガサガサと音を立てながら、
私の目の前に現れた鬼は、
人の形では無かった。
私は飛んでくる刃物の様な腕を避けながら、
腕を切り落としていく。
でも、頚を切るまでは手は生え続ける。
うん、体力もまだ有り余ってる。
これなら、大丈夫かな。
どれだけ攻撃を撃たれても、避けれるからね。
ここが町ならそうは行かないけど。
これは、良い機会だから。
正直、型を打っても構わないんだけどね。
私の型は、周りにも被害行っちゃうから。
そしたら隊員達が逃げられないだろう。
さて、そろそろ。
村田くんが戻ってくる頃合い。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!