バンッ!!という大きな音と共に、
しのぶちゃんの部屋へと入る。
しのぶちゃんは、ゆっくりと振り向き、私を見る。
と、しのぶちゃんの診断結果は…
私の背中の傷は、確かにこの前完治した。
しのぶちゃんの腕が良いから、
痕も残らなくて、助かったーなんて言ってたのに。
これから行かなければならない、
天元くんの任務に差し支える程の傷ならば、
治さなければいけないのは当たり前。
何故なら上弦の可能性があるから。
足手まといにはなりたくない。
だけれど、
それでもしものことがあって、
間に合わないなんてことがあったら、
私は…
女神様だぁぁぁぁっ!!
な、なんだろう。
ものすごーく嫌な予感がする。
そして、私は。
数時間後。
女神という言葉を取り消すことになる。
麻酔、効いてない。全然。
ちょっと、めちゃくちゃ痛い。
チクッとって何だっけ。
しのぶちゃん曰く、
「気絶しないなんて凄いですね!(笑顔)」
この時確信したよね。
あ、死ぬ。
って。
隊士になって初めて死を覚悟したのが、
まさか鬼なんかじゃなくてしのぶちゃんとは。
もう何にでも耐えられる気がする。
凄い笑顔で言われて、
めちゃめちゃ怖かった。
と、私は三日間、動きたい衝動を抑えて寝込んだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。