パチッと目が開いて、見えたのは白い天井。
あれ、ここ蝶屋敷だな。
あれ、なんでここにいるんだ?
……あ。蜜璃ちゃんと会って、それで、
背中が猛烈に痛くなって意識吹っ飛んで…
ええぇ、今起き上がろうとしただけだよ!?
せ、背中すんごい痛い!!
ずっと起きるのを待っててくれていたのか、
隣の椅子に座って待っていてくれていた。
背中がじんじんと熱い、でも、
もう知ったこっちゃない。
え、しのぶちゃん?
こわい、こわい。
思考が読めない、怖い。
笑顔止めて?ほんとに、ねぇ。
私なら、避けることくらい簡単だが、
2体居て、味方の剣士を庇ったらその反対から切られた。
まぁ、気合いで倒したけどな。
舐めるなよ、柱。
確かその後、適当にサラシみたいに、
包帯を巻いただけだったかもしれない。
素直に応えたつもりだったんだけど、
癪に障ってしまった様だ。
大きなため息と同時に、いつもの笑顔は消えた。
圧倒されるのと、正論しか言われていなくて、
返す言葉が見つからない……。
何だろう、何かを聞き忘れた様な、気がする。
……あ。
〝炭治郎くん〟という言葉に、
ピキピキとキレそうなしのぶちゃん。
あら、これはまさか地雷踏んだっぽいな。
笑顔でキレてるから、余計怖い。
しのぶちゃんはそう少し上を見上げた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。