〝月夜叉〟なんて、格好いい名前が付くほど、
きっとこの人は強いのだろう。
一番とまでは行かないかもしれないが、
臭いは尋常じゃない位強そうな、
ピリピリした臭いだ。
そうか伊之助も二刀流…!
この人に教えて貰ったら、
伊之助はもっと強くなるかも…!
そっ!そうだった!
俺のことは恥ずかしながら、
さっきのことで知っているけど、
善逸と伊之助のことは知らないんだ!
顔立ちは何処か中性的で、肌の色は白く、
背は高く、足も、腕も、見える限り細い。
長く高めに後ろでまとめられた美しい髪。
おまけに話し方まで中性的すぎる。
俺達が分からないんだ。
きっと皆初めは気になるのだろう。
お、女の人だったのか…
そう善逸に顔を近付ける夜霧さん。
そう柔らかに微笑んでくれる。
この人から嘘の臭いはしない。
すこしわくわくしているような、優しい臭い。
大丈夫、あの傷だらけの人とはきっと違う。
あ、でも禰豆子も今は傷だらけ…どうだろうか…
そう歯を見せて、笑ってくれた。
んん?何故か伊之助が…!
夜霧さんを見つめている??
善逸はいつもの臭いがしたけれど、
伊之助からはよく分からない臭いだったな…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。