第14話

格好良い
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2019/12/12 14:25
不死川 実弥
俺らを甘く見たこと、
後悔させてやるぜェ!!
『風の呼吸 弐ノ型〝爪々そうそう科戸風しなとかぜ〟』
こんナノにやラれるワけあるカ…
と、素早く避ける鬼。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
忘れないでもらいたいねぇ!!
私は二本の刀を投げた・・・
そして、持ち前の跳ぶ力で、空へと。


そのまま二回転して刀を掴み、
『月の呼吸 捌ノ型〝月龍輪尾〟』


そうして、鬼の両腕を斬り捨てる。
私は、腕も細く、足も細い。


筋肉が付きにくい体質だった。


だけど、私にはこの背の高さと手足の長さがある。


それを利用して、空へ飛び投げた刀の遠心力を使うことで、


鬼の頸を斬りやすくする。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
実弥くん!
不死川 実弥
あァ!!
何をするかは大体判っているだろう。
私と実弥くんは、呼吸を揃えて。
『風の呼吸 陸ノ型〝黒風烟嵐こくふうえんらん〟』
『月の呼吸 伍ノ型〝月魄犀花〟』
実弥くんの少し荒い攻撃に、私の月でサポートし、


鬼の頸を



斬った。


鬼の頸がボトっという音ともに落ち、


呻き声を上げながら消えていく。


残念ながら、それを可哀想などと思う


優しい心は持ち合わせていないわけでね。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
…いったたた…
不死川 実弥
…!?…オイ!
私が何故実弥くんに倒れかかったというと。


背中の傷がめちゃめちゃ痛かったんだよね…(笑)
不死川 実弥
無理すっからだろォ…
夜霧 蘭
夜霧 蘭
ははは…ごめんね。
よっと。もう大丈夫、ありがとう。
そう言って、いつもの体勢に戻る。
不死川 実弥
嘘吐いてねェよなァ…?
夜霧 蘭
夜霧 蘭
ホントホント!大丈夫だよ!
だから刀をしまってくれないかい!
刀を突き付けられて心配されてもね…(笑)
大丈夫、だと思う。多分。
不死川 実弥
じゃあ、戻るかァ。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
うん、そうだね。
また来た道を戻るように、


私達は本部へと戻ることにした。
消えた隊士達の行方は、恐らく鬼が喰ったのだろう。
森は実弥くんが探したらしいが、何も残っておらず、


ただ血の生臭い臭いだけが残っていた。
出来るだけ背中に負担が掛からない姿勢で、森を後にする。
そして、本部に着いて。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
んじゃぁね、実弥くん。
不死川 実弥
………一応、胡蝶のとこ行けよォ。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
不死川 実弥
じゃぁなァ、次会う時生きて会えると良いなァ。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
…あぁ、ありがとう、実弥くん。
この感謝の言葉が、彼に聞こえていたかは、


分からないが。


実弥くんは私に背を向け、行ってしまった。


しのぶちゃんのとこに行け。


って、背中を一応見せてこいってことかい?


普段は口も態度も悪いのに、


本当は優しく、人想いな実弥くん。


全く、格好良いなぁ。


私は、羽織と耳飾りを靡かせて、


実弥くんとは反対方向、


蝶屋敷に向かうことにした。

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