体が完全に動かせるようになって数日後、
有栖から柱合会議の文を受け取った。
珍しい小芭内くんからの心配に、少し驚いたけど、
諸々蜜璃ちゃんに対してだと気付いて、
その驚きにも納得が行ってしまった。
私も歩くのが困難になる位の具合だったが、
驚く程早く回復した。
現れたのはあまね様だった。
その話は大変胸が痛む話で。
お館様は、体調が更に悪化しているとのこと。
『!?』
それからあまね様の御説明を受け、
この時代でその特別な痣の初めの発現者が、
あの炭治郎くんであることも、分かった。
というか、有栖言えよ。私の鎹烏だろうが。
あのどや顔腹が立つな、後で御飯抜きだ。
その説明に、皆ぽかんとする。
いや、確かに物事の整理が早い私でも、
大変申し訳ないが、これは少しどうにも…
小芭内くんなんかは頭を抱えてしまっていた。
無一郎くんのした説明は、
ほとんど私と一致していた。
発熱…異常な程の体温の高さ、心拍数の高さ。
先程納得言っていない顔をしていたしのぶちゃんへと、説明を付け加える。
それから、私達以外の柱の急務は、
『痣の発現』
だけれど、その痣には、悪面があった。
けれどそんなのは関係無い。
命の灯火を燃やし、鬼の完全滅殺こそ我々の本意。
足をすくませる要因になんてならない些細なこと。
俺には関係無いという、柱あるまじき言葉に、
少し重苦しい沈黙が流れた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。