第52話

特別な痣
557
2020/09/22 12:51
体が完全に動かせるようになって数日後、


有栖から柱合会議の文を受け取った。
不死川 実弥
あーあァ、羨ましいことだぜぇ。
何で俺は上弦に遭遇しないのかねぇ。
伊黒 小芭内
こればかりはな、
遭わない物はとんとない。
伊黒 小芭内
夜霧、甘露寺、時透。
その後体の方はどうだ?
甘露寺 蜜璃
あっ!うん!ありがとう!
随分良くなったよ!!
時透 無一郎
僕も…まだ本調子じゃないですけど…
夜霧 蘭
夜霧 蘭
私は大丈夫だよ、無一郎くんと手合わせ出来る日を楽しみにしてるよ。
時透 無一郎
それは…僕も…です。
珍しい小芭内くんからの心配に、少し驚いたけど、


諸々蜜璃ちゃんに対してだと気付いて、


その驚きにも納得が行ってしまった。
悲鳴嶼 行冥
これ以上柱が欠ければ鬼殺隊が危うい…。死なずに上弦2体を倒したことは尊いことだ…。
胡蝶 しのぶ
今回の三人ですが、
傷の治りが異常に早い。
胡蝶 しのぶ
何があったんですか?
私も歩くのが困難になる位の具合だったが、


驚く程早く回復した。
冨岡 義勇
その件も含めて、
お館様から話があるだろう。
産屋敷 あまね
大変お待たせ致しました。
産屋敷 あまね
本日の柱合会議、産屋敷輝哉の代理を、産屋敷あまねが務めさせて頂きます。
現れたのはあまね様だった。


その話は大変胸が痛む話で。


お館様は、体調が更に悪化しているとのこと。
産屋敷 あまね
────の、方々に独特な紋様の痣が発言したという報告が上がっております。
産屋敷 あまね
御三方には、痣の発現の条件を御教示願いたく存じ上げます。
『!?』
夜霧 蘭
夜霧 蘭
痣…?ですか。
それからあまね様の御説明を受け、


この時代でその特別な痣の初めの発現者が、


あの炭治郎くんであることも、分かった。


というか、有栖言えよ。私の鎹烏だろうが。


あのどや顔腹が立つな、後で御飯抜きだ。
産屋敷 あまね
御教示願います。
甘露寺様、時透様、夜霧様。
甘露寺 蜜璃
はっ、はいっ!!
甘露寺 蜜璃
あの時はですね!確かに凄く体が軽かったです!えーっと、えーっと…
甘露寺 蜜璃
ぐああ~って(((以下略
その説明に、皆ぽかんとする。


いや、確かに物事の整理が早い私でも、


大変申し訳ないが、これは少しどうにも…


小芭内くんなんかは頭を抱えてしまっていた。
甘露寺 蜜璃
申し訳ございません、
穴があったら入りたいです。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
痣が出ていたことに関しては、
私にもよく分かりませんが。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
思い返せば、確かにいつもとは違うことがあったと思います。
時透 無一郎
僕も、です。その条件を満たせば恐らくみんな痣が浮き出す。
時透 無一郎
今からその方法を御伝えします。
無一郎くんのした説明は、


ほとんど私と一致していた。


発熱…異常な程の体温の高さ、心拍数の高さ。
産屋敷 あまね
夜霧様も…でしょうか。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
はい、ほとんど変わりはないと思います。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
今回の傷の治りの早さも、
恐らくその痣のせいなのでしょう。
胡蝶 しのぶ
成程…。
先程納得言っていない顔をしていたしのぶちゃんへと、説明を付け加える。




それから、私達以外の柱の急務は、


『痣の発現』


だけれど、その痣には、悪面デメリットがあった。


けれどそんなのは関係無い。


命の灯火を燃やし、鬼の完全滅殺こそ我々の本意。


足をすくませる要因になんてならない些細なこと。
冨岡 義勇
…あまね殿も退席なされたので、
俺も失礼する。
不死川 実弥
おい待てェ、失礼するんじゃねぇ。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
そうだよ、義勇くん、これからの我々の立ち回りを決めないのかい?
冨岡 義勇
七人で話し合うといい。
俺には関係無い。
冨岡 義勇
俺は、お前達とは違う。
俺には関係無いという、柱あるまじき言葉に、


少し重苦しい沈黙が流れた。

プリ小説オーディオドラマ