第38話

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2020/04/05 03:00
夜霧 蘭
夜霧 蘭
君も、もうぼろぼろじゃないか!!
上弦の陸
うるさいうるさいうるさい!!!
なっ──────!!
竈門 炭治郎
蘭さん!!敵の…血鬼術で…!
黒い…いや、毒だな、これは─────
避けきれないかも!!
なんて弱音吐けないかい!!


反撃は不可。


それなら…


もう、皆私が来る前からとっくに限界突破か…。


決着、着けちゃおう。
その仕事をするのは私じゃない。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
道は開くぞ!!頼む!!
竈門 炭治郎
うぅぅっ!!はいっ!!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
天元くん!!
宇髄 天元
わぁってらぁ!!!オイお前ら!!
我妻 善逸
一撃に掛ける!!
嘴平 伊之助
グハッ…やってやるぜ…!!!






そこからは、頭では何も考えていない。


ただ、血鬼術を避け、斬り、


炭治郎くんへの道を開くことのみ。


記憶じゃない、感覚で覚えていた。


気づいた頃には、
そして、天元くんや二人の方から鬼の頭が落ちてくる。


こちらも、炭治郎くんの折れた刀で斬り落とされた。
須磨
斬った!?斬った!!斬った!!
きゃーー!!
須磨
斬りましたよ雛鶴さん!
草葉の陰から見てください!
まきを
アンタ意味わかって言ってんの!?
馬鹿!!
須磨
えっ?
雛鶴
!?
雛鶴
何か様子が変だわ。
あぁ、三人の明るい声。


良かった、無事だったんだね…。




────────嘘だろう?
夜霧 蘭
夜霧 蘭
逃げろ炭治郎くん!!
宇髄 天元
逃げろ!!!
竈門 炭治郎
ハッ、ハッ、ハッ…
駄目だ、聞こえていない…!!!


クソ、私にも毒が回ってきて、


上手く足が動かない…!!
宇髄 天元
逃げろ─────っ!!!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
この──世話の焼ける奴め!!
私が補助に回る瞬間、もう一人。


誰か炭治郎くんを抱えていった。


私はその二人を助ける道を作るように、


術を切り裂いた。




そして、私も一瞬、意識を手放してしまった。


次に目を覚ました時には、
雛鶴
…ちゃん、蘭ちゃん!!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
…っ…雛鶴ちゃんかい…
雛鶴ちゃんの膝の上だった。
雛鶴
毒が回ってる…!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
はは…私より天元くんだ…
君の旦那さんだろ…
雛鶴
何を言ってるの…!貴女も家族同然、見捨てたらそれこそ罰が当たるわ。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
優しいねぇ、君の奥さん。
宇髄 天元
なんだ…分かってんじゃねぇか…
夜霧 蘭
夜霧 蘭
今気付いたさ。
須磨
いやぁぁぁぁ!!死なないでぇ!
死なないでぇぇ天元様ぁ~!
生きてよぉぉ蘭ちゃん~!
須磨
せっかく生き残ったのに!!
来てくれたのに!!
須磨
やだぁ!やだぁ!鬼の毒なんてどうしたら良いんですか!解毒薬が効かないよぉ!
そう、もう既にしのぶちゃんの解毒薬は投与した。


私も、天元くんも。


技は避けきったと思ってたんだけどね…。


どうやら少し避けきれてないところから、


毒がいつの間にか進行してたみたいだ。
須磨
酷いです神様!酷い!!
宇髄 天元
最期に言い残すことがある…。
俺は今までの人生…
夜霧 蘭
夜霧 蘭
おい…
須磨
天元様死なせたらあたしもう神様に手合わせません!!
おや、私が牽制する前に…


最期まで笑わせてくれる。


いや、ここで死ぬ気は無かったんだがね…


どうも、この毒、かなり効いてるんだよ…。


薬に適してる体だけれど、


その代わり毒も効きやすい私だ。


その毒の薬が体に入らぬ限り、死を待つしかない。
すると、
夜霧 蘭
夜霧 蘭
お…や…?禰豆子ちゃん…?
夜霧 蘭
夜霧 蘭
一体何をしに…
ひょこりと現れ、私と天元くんの腕に触れる。
すると、





体が、一気に燃え上がった。

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