なっ──────!!
黒い…いや、毒だな、これは─────
避けきれないかも!!
なんて弱音吐けないかい!!
反撃は不可。
それなら…
もう、皆私が来る前からとっくに限界突破か…。
決着、着けちゃおう。
その仕事をするのは私じゃない。
そこからは、頭では何も考えていない。
ただ、血鬼術を避け、斬り、
炭治郎くんへの道を開くことのみ。
記憶じゃない、感覚で覚えていた。
気づいた頃には、
そして、天元くんや二人の方から鬼の頭が落ちてくる。
こちらも、炭治郎くんの折れた刀で斬り落とされた。
あぁ、三人の明るい声。
良かった、無事だったんだね…。
────────嘘だろう?
駄目だ、聞こえていない…!!!
クソ、私にも毒が回ってきて、
上手く足が動かない…!!
私が補助に回る瞬間、もう一人。
誰か炭治郎くんを抱えていった。
私はその二人を助ける道を作るように、
術を切り裂いた。
そして、私も一瞬、意識を手放してしまった。
次に目を覚ました時には、
雛鶴ちゃんの膝の上だった。
そう、もう既にしのぶちゃんの解毒薬は投与した。
私も、天元くんも。
技は避けきったと思ってたんだけどね…。
どうやら少し避けきれてないところから、
毒がいつの間にか進行してたみたいだ。
おや、私が牽制する前に…
最期まで笑わせてくれる。
いや、ここで死ぬ気は無かったんだがね…
どうも、この毒、かなり効いてるんだよ…。
薬に適してる体だけれど、
その代わり毒も効きやすい私だ。
その毒の薬が体に入らぬ限り、死を待つしかない。
すると、
ひょこりと現れ、私と天元くんの腕に触れる。
すると、
体が、一気に燃え上がった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。