ガラッ
ピシャン
私には学校で友達がいない.
理由はもう分かってる.
…そう.
私は不良だと思われて恐れられているのだ.
私から話しかけるのは申し訳なくて、なかなかクラスメイトと話せないでいる.
しかしその日、思いがけない展開になった.
席替えはくじ引きで行われた.
私は仲良い人が居ないからあまり興味はなかった.
ガタッ
私に話しかけた人なんて今まで誰もいなかったから少し驚いた.
やっぱり彼女持ちの人は違うな.
反対側の隣の男の子にも話しかけられた.
クラスメイトにそんなふうに思われていたとは……
この言葉には流石に驚いた.
遊佐くんは楽しそうだ.
遊佐くんが覗き込むように私の目を見てくる.
………かわいい.
私は頭が追いつかなかった.
今まで学校に友達がいなかったくっっそコミュ障の私が、男子に呼び捨てで呼ばれるだと…?
私は感激すぎて顔が真っ赤になって目も潤んできた.
やばい…
学校楽しみになってきたかも?(単純)
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!