隼side
俺はまた走った
無我夢中で走った
君を探して走った
他の誰かを好きになれるなら、こんな不毛な恋、とっくにやめていたと思う。でも他の誰かじゃダメで、あなたでないと意味がなかった、だからこそあなたとなら不毛な恋だとしても意味があると思えるんだ。
だから俺は走る
無我夢中で走る
あなたに気持ちを伝えるために走る
あなたside
見つけられた
会いたくなかったよ
忘れようとしたのに
『忘れたい』なんて思うくらいに大好きだった。
『離れたい』なんて思うくらいにそばに居たかった。
『幸せになってね』と言えないくらい本気だっ
た『さようなら』なんて出来ないくらい大切に思ってた。『ありがとう』と言えないくらい愛していた
でももうこれでおしまい
めいいっぱいの笑顔で言う
あれなんでだろう
涙が止まらない
嘘をついてる事に胸が痛い
瞳を飛び出し頬を落ちていく彼ら
顎の先で大渋滞
まぁこの先涙を使うことなど
もうない·····。
隼side
俺は嘘だと直ぐにわかった
気持ちを伝えるのは今しかない
あなた達は歩き出す
それでも止まってくれなかった
ずーっと眺めて叫んでる呼んでるのに
あなたは止まってくれなかった·····
あなたside
と涙を堪えて言ったのが私の精一杯の強がりで、苦し紛れの小さな嘘で、私の最後の優しさです。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!