第44話

淡々と
408
2018/09/05 13:38
また熱上がってる…。咳は出てない。
タオル変えなきゃ、瑠衣くん辛そう…。



8時になって瑠衣くんが目を覚ました。
瑠衣(るい)
瑠衣(るい)
(パチッ)今少し楽かも…。 何か食べるものあるかな?
恵美(めぐみ)
恵美(めぐみ)
お粥でいい? 今日寒いし…。
瑠衣(るい)
瑠衣(るい)
うん、ありがと。
恵美(めぐみ)
恵美(めぐみ)
ちょっとまってて。
……………………………………………………………
恵美(めぐみ)
恵美(めぐみ)
はい。
瑠衣(るい)
瑠衣(るい)
ありがと。

カシャン!
瑠衣(るい)
瑠衣(るい)
…あれ?



カシャン




瑠衣くんは手に力が入っていなかった。
何度も試していたけれど、何度もスプーンを落としていた。
恵美(めぐみ)
恵美(めぐみ)
瑠衣くん、大丈夫…?
瑠衣(るい)
瑠衣(るい)
大丈夫…じゃない…かも。
恵美(めぐみ)
恵美(めぐみ)
少しだけ食べてほしい、体力減っちゃうから。
瑠衣(るい)
瑠衣(るい)
うん…。


瑠衣くんに変わって私がスプーンにのせた。
「あーん」とかそんな事ではなく、ただただ淡々とお粥を食べさせた。
瑠衣くんもまた、ただ淡々とおかゆを食べていた。

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