第7話

7.体育祭(前半)
19
2019/04/23 12:20
要Part



ミーンミンミンミンミン
あっちぃ〜!!
まだ5月だというのに、もうセミが鳴いている。
あーだる。休みてぇ
太陽
いーじゃん!体育祭日和だよ!
司も太陽もいつも通りマイペースで、高校最後の体育祭だなんて感じがしない。
ぶっちゃけ開会式とかいらないよな
ほんとそれー
太陽
開会式も大事だぞ!!
陽向
そこ男子〜うるさーい
校長の話中だよー
はな
そーゆうヒナもうるさいよ笑笑
幻月
はな正直だねー笑
このいつも通りが好きだ。
みんなそれぞれで、若干話が噛み合わない時もあって。
この空間が居心地いい。
「最初の競技は障害物競走です。
出場する選手は入場門に集合してください。」
太陽
おっ俺じゃん。
みんな応援よろしくなー!
陽向
クマは応援しなくても1位でしょ笑笑
学年で1番速いもんな
太陽
そんな褒めんなって〜
調子乗ってコケんなよ
幻月
あーそれありえる笑笑
太陽
ツキまで?!
早く行けよクマ〜
はな
遅れちゃうよ?笑
クマはみんなに責められ、走って入場門に向かって行った。
♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。
幻月Part


さっきのクマくんかっこよかったなぁ

クマくんは障害物競走でダントツだった。
しかも余裕なのか、笑顔で全力疾走していた。

そのあと手ふってくれたし…。



「続いてはプログラム3番の2年生借り物競争です」
幻月
あ、次 柊都(しゅうと)君だ。
風上柊都(かざかみしゅうと)君は、私と委員会が一緒の子だ。
図書委員会に所属していて、柊都君とは担当の曜日が一緒で、よく話をする。


柊都君はイケメンで、この高校のアイドル的存在だ。
今まで十何人もの女子と付き合ったことがあると言っていた。
柊都
まつきちゃ〜ん!
幻月
おはよう柊都くん!
柊都
俺走るから見ててよ!
幻月
うん!
よ〜い  パンッ

ピストルと同時に一斉に走り出す。
これは借り物競争なので、途中のカードを引いて、借りる物や人を探すみたい。

すると、柊都君がカードを引いた瞬間、こっちを見た。
幻月
………えっ、?
気づくと私は、手を引かれて、グラウンドのど真ん中にいた。
柊都
まつきちゃん、俺と一緒に走って!
パァーン

「1着紅組〜!!」
柊都
おっしゃあ〜!
幻月
えっと、?
私は何が起こってるのかよく分からず、その場に立ち尽くしていた。

柊都君はクラスのみんなと盛り上がっている。
柊都
あ〜ありがと幻月ちゃん。
幻月
あ、うん。お題何だったの?
柊都
え〜?ナイショ笑笑
幻月
えぇっ?!気になる!
柊都
そのうち教えてあげるよ。
そう言って柊都君はクラスのみんなの所へ戻って行った。
♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。
太陽Part
柊都
まつきちゃ〜ん!
「まつき」そう呼ぶ声がして、俺はふいに手をとめて、顔を上げる。

あれは…ツキと委員会が同じやつだ。

こないだ滅多に行かない図書室に、サッカーの資料を取りに行った時、ツキと一緒にいたのを覚えている。
太陽
仲、いいのかな…
アイツイケメンだし、人気だもんな。
柊都
まつきちゃん、俺と一緒に走って!
そう言ってあいつはツキの手をひっぱっていく。
ツキは状況がよく分かっていないみたいだった。
太陽
…………………!!
俺はある事に気づいた瞬間、目を見開いた。

アイツが持ってるメモには

「好きな人」

と書かれていた。
太陽
ツキもアイツのこと……
そう思うと、関係ないはずなのに
胸が痛かった。

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