学校からの帰り道、私はいつものように要と帰った。家が3軒となりということで、部活とかがない日は2人で一緒に帰っている。
友達の話、勉強のこと、部活のこととか、要とは数えきれないくらい話をしてきた。
今日誰が面白かったとか、何組のあの子が付き合ってるとか、恋愛の話もしたりした。
でも、要のそーゆう話を聞いたことがなかった。勉強も運動もできるし、かっこいいし優しいし、モテるはずなのに。
てゆうか実際モテてるか。この間も後輩の女の子に手紙をもらってるのを見たことがある。
私も、要が告白されているのを見るたびに、自分も伝えないとって思うんだけど……
いざとなるとうまくいかない。
私は思いきって聞いてみることにした。
やばい、私絶対顔真っ赤だ。
好きな人を聞いただけなのに…
要がなかなか返事をしないので、顔を上げてみる。
やっぱり要、好きな子いたんだ。
なんだか急に泣きたい気分になった。
その子はどんな子なんだろう?
その子も要のこと好きなのかな。
私は要が好きだよ。
そう言いたい、けど
そんなあいまいな言葉しか出てこなかった
ほんと私って いくじなし。
♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。
はなとの帰り道、いつもみたいに並んで歩いていると、急にはなが、
と聞いてきた。
いつもは俺の恋愛話とか聞いてこないのに……
小学校の頃からはなのことが好きだった俺だけど、本人の前でおまえだよ、
なんて言えるわけがない。
近すぎて言えないことだって
たくさんあるんだ。
言ったら、隣にいられなくなる。
中3くらいの時からそう思うようになった。
俺達にはもう1人幼なじみがいて、そいつがはなのことを好きになった。でもはなは友達としてそいつのことが好きで。
そいつが想いを伝えた瞬間、二人の関係が崩れた。だんだん気まずくなっていって、卒業の頃には、お互い一言も喋らないような関係になっていた。
きっと俺も……。
そう思って、未だ伝えられないままだ。
俺が色々考えてるうちに、はなが痺れをきらしたのか俺の方を向いた。
俺はとっさに答えた。
ほんとはちゃんと言いたいんだ。
でもはなの笑顔が近くで見られなくなるのが嫌だ。
俺はゴクリ、と唾をのむ。
そりゃいるよな、
はなの好きな人が俺だったらいいのに
ワガママばっかで素直になれない。
こんなんじゃ、ダメだよな
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。