第3話

3.好きな人
30
2019/02/13 11:04
学校からの帰り道、私はいつものように要と帰った。家が3軒となりということで、部活とかがない日は2人で一緒に帰っている。
はな
今日の太陽面白かったね!
あ〜あれな。
よく先生の前であんだけふざけられるよな笑笑
友達の話、勉強のこと、部活のこととか、要とは数えきれないくらい話をしてきた。
今日誰が面白かったとか、何組のあの子が付き合ってるとか、恋愛の話もしたりした。

でも、要のそーゆう話を聞いたことがなかった。勉強も運動もできるし、かっこいいし優しいし、モテるはずなのに。
てゆうか実際モテてるか。この間も後輩の女の子に手紙をもらってるのを見たことがある。

私も、要が告白されているのを見るたびに、自分も伝えないとって思うんだけど……
いざとなるとうまくいかない。
はな
ねぇ要〜
ん?
私は思いきって聞いてみることにした。
はな
要って好きな人とかいないの?
…………………
やばい、私絶対顔真っ赤だ。
好きな人を聞いただけなのに…


要がなかなか返事をしないので、顔を上げてみる。
…………いるよ、好きなヤツ。
はな
…そ、そうなんだ〜、
やっぱり要、好きな子いたんだ。

なんだか急に泣きたい気分になった。
その子はどんな子なんだろう?
その子も要のこと好きなのかな。
はなは?
はな
えっ私?
私は……………
私は要が好きだよ。
そう言いたい、けど
はな
いる…かな、
そんなあいまいな言葉しか出てこなかった

ほんと私って いくじなし。
♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。
はなとの帰り道、いつもみたいに並んで歩いていると、急にはなが、
はな
要って好きな人とかいないの?
と聞いてきた。
いつもは俺の恋愛話とか聞いてこないのに……


小学校の頃からはなのことが好きだった俺だけど、本人の前でおまえだよ、
なんて言えるわけがない。

近すぎて言えないことだって
たくさんあるんだ。

言ったら、隣にいられなくなる。
中3くらいの時からそう思うようになった。

俺達にはもう1人幼なじみがいて、そいつがはなのことを好きになった。でもはなは友達としてそいつのことが好きで。

そいつが想いを伝えた瞬間、二人の関係が崩れた。だんだん気まずくなっていって、卒業の頃には、お互い一言も喋らないような関係になっていた。

きっと俺も……。
そう思って、未だ伝えられないままだ。
俺が色々考えてるうちに、はなが痺れをきらしたのか俺の方を向いた。
…………いるよ、好きなヤツ。
俺はとっさに答えた。

ほんとはちゃんと言いたいんだ。
でもはなの笑顔が近くで見られなくなるのが嫌だ。
はなは?
はな
えっ私?
私は……………
俺はゴクリ、と唾をのむ。
はな
いる…かな、
そりゃいるよな、

はなの好きな人が俺だったらいいのに

ワガママばっかで素直になれない。
こんなんじゃ、ダメだよな

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