え?…
きか、れて…た?
そんなの決まってる。
好きだから
あなたちゃんがかわいいから
もっと近い存在でいて欲しいから
心の中では何個も理由なんて出てくるのに
口に出せない
そう
俺たちは " 教師と生徒 " なんだから
目の前に居るのに
遠い
え?…
好き?
俺のことが…?
目の前のあなたちゃんは泣いてうずくまってしまった
こんなとき、俺が教師じゃなかったら
そっと抱きしめてあげられるんだろうか
俺も好きだよって言ってあげられるんだろうか
初めて教師なんて辞めたいと思った
あなたちゃんは足早にその場を去っていった
1人取り残された俺は
そう一言だけ空気に溶けさせた
儚い
儚すぎる夜
ゆきちゃんはいつもクールで
あんまり感情を表に出さない。
何を考えているのか正直よく分からないけど
言っていることは正しくて
見抜かれることもよくあって
それに助けられることだってあるのかもしれない
好きの気持ちを口に出して言えば
何がどう動いて
結局俺たちは…
幸せか
不幸せか
どっちに転ぶんだろう
まぁそれが分かったら誰も苦労なんてしないか
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。