正門「あなたに絶対似合う!!」
大橋「うんうん」
そう2人が自信満々にくれたのがクマのぬいぐるみ。
もふもふしたものが大好きだからすごい嬉しい。
高橋「あなたちゃんそれ好きですよ絶対!!」
へらへら笑いながら恭平がくれたのは美味しそうなお菓子の詰め合わせ。
帰ったら食べよ〜って大切にカバンに入れた。
毎年こうやって関西ではプレゼント交換が行われる。
「あー、ありがと」
問題はこの男である。
よしくんにもはっすんにも恭平にもあげてるのに同期の私にはスルー。
よしくんとはっすんはまだしも恭平にあげてるのに。
私は " 私は " あげたのに大吾からはその一言のみで、今日の会話はそれだけ。
「もうなに?!」
正門「まぁ落ち着きぃや」
「すごい欲しいみたいになってて不本意だけどなにわAぇLilにはあげて私にない理由が知りたいわ」
大橋「好きな人から貰いたいあなたの気持ち俺わかる」
「なっ…ちが、」
正門「はい強がらない。大吾のことやから用意してるって、直接渡すのが恥ずいの」
「……なわけないやん」
よしくんの言う通り、大吾から欲しかったのは否めない。
好きな人からっていうのは仮にそういう関係になかろうと特別だから。
正門「じゃああなたばいばい」
大橋「明日大吾にあたりぃ」
「や、それは無理 笑 」
先に帰る2人に苦笑いを返して着替え室へ向かう。
約束してたわけやない。
…もしかしたら大吾に彼女がいてその子にあげるから私なんかにはあげてる暇ないってこと?
……や、それはない気がする。
こないだそんな話で盛り上がった時いないって言ってたし。
あの顔は嘘ついてない。
同期の勘は結構当たる。
「……??」
悶々と考えながらコートを身にまとった時。
ポケットから感じる明らかな違和感に手を入れれば小さな箱。
「……っ!!!」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!