取り出してみれば、付箋にお世辞にも綺麗とは言えない字で " メリークリスマス " と書いてあった。
荷物もそのままに箱だけ持って部屋を飛び出す。
まだいるかな、もういないかな。
楽屋が違うから大吾の行動なんてしらないのもいいところ。
恭平と私の楽屋の隣。丁度、はっすんと大吾が出てくるところで。
「……っ大吾、、!」
神様ありがとうございます!!って心の中で叫びながら声をかければ、私と大吾をみて楽しそうに笑ったはっすん。
大橋「じゃ〜おれ帰るわ〜」
西畑「え、おればええやん」
大橋「大ちゃん、、モテない、それ」
西畑「は?モテモテやわ」
じゃー!って手を振るはっすんが神様に見える。
" 意味わからんわ〜 " って頭を搔く大吾と目が合って。
なに?といでも言うように首を傾げる。
勢いで追いかけてきたはいいけど面と向かって言うのは恥ずかしすぎる。
「…ちょっとそっち向いてて」
西畑「はぁ?」
「いいからはやく、!」
西畑「はっすんもお前もなんなんもう」
文句を言いながらもくるりと回転した大吾。
前よりか随分と広くなったその背中を目の前に今からやることも中々だけど仕方ないって心の中で言い訳。
戸惑ってたら今度こそ大吾は帰っちゃう気がして。
「、クリスマスプレゼント、ありがとう、」
西畑「っ…おぉ、い」
思い切ってその背中に抱きつく。
爆発しそうな心臓に泣きそうになりながらも大吾の言葉を待っていれば、
小さく聞こえたため息の後に少し触れる冷たい手。
解かれたと思ったらまたすぐに引っ張られて。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!