第2話

episode1
32
2019/03/16 02:45
それが幸運な出来事だったのか、将又不運な出来事だったのか、それは今でも分からない。










外は強めの北風が吹き、枯葉が舞っていた。教室の窓から空を見上げると、少し白んだ青い空がこちらを見下ろしている。

「……じゃあ、町田。お前が案内してやれ。」
「……。」
「町田!!!」
「…え、あはい!」

急に呼ばれた自分の名前に驚き視線をすぐさま正面へ向けた。今は朝のホームルームの時間だ。

「じゃあよろしくな。」
「…なにを?」
「神谷さんの案内だよ。お前話聞いてたのか?」

担任である白木辰夫シラキタツオが自分の隣に立つ女子を指さした。すると神谷が、

「よろしくね!」

そう言ってにっこり微笑んだ。俺は神谷と呼ばれた女子と担任、その他周りのクラスメイトに聞こえないように溜息を漏らした。


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