俺は初対面の人間とコミニュケーションが取れるほど愛想が良くない。普通の顔をしているだけなのに冷たい人間に見られがちだ。
「…初対面の人の案内とか、やっぱり面倒だよね!」
「え、?」
「いやだって…なんかずっと考え事してるみたいだったから。面倒なのかな?って。押し付けられたようなもんじゃない?」
なるべく俺を傷付けない程度に明るく振る舞う彼女__神谷 に俺は申し訳ないと思った。
「…違うよ。俺、昔から人とコミニュケーション取るの苦手なんだ。」
「…。」
「だから初対面の人に学校案内とか向いてないっていうか、その…」
「なんだぁ!勘違いしちゃった!」
「は?」
「自分の時間が無くなっちゃうから面倒だと思ってるのかと…。そうじゃなくて良かった!」
明るく笑う彼女の横で俺は呆然とした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。