第3話

新たな道へ
1,839
2020/05/13 05:24
俺は、お義姉さんの家に訪れた。
白石桜
…藍沢さん。どうも。
藍沢耕作
本日は、大事な話があってきました。
白石桜
どうぞ、入ってください。
藍沢耕作
…失礼します。
白石桜
命生ちゃん、明日退院ですか?
藍沢耕作
はい。
藍沢耕作
それで…今日は幸の話をしにきました。
白石桜
…!!
白石桜
どうしてその事を…
藍沢耕作
幸を取り上げた医者から、話を伺いました。
藍沢耕作
幸は、俺の子供です。
白石桜
そ、そんなわけ…
藍沢耕作
これ、DNA鑑定の結果です。
白石桜
…嘘
藍沢耕作
幸は、俺が育てます。
白石桜
そんな、出来るわけないでしょう!!!
白石桜
あなたに父親になる準備なんて…!!
藍沢耕作
………俺は、親がいない寂しさを、よくわかっているつもりです。
仕事は、暫く休みます。
精一杯、出来ることをやります。
藍沢耕作
子供達に寂しい思いなんて、絶対にさせません。
お願いします。
白石桜
………幸、出てきて?
藍沢幸
なぁに?
白石桜
この人は、あなたのお父さんよ?
藍沢幸
おとーさん?パパって事?
白石桜
えぇ。
白石桜
そして、あなたには妹がいるの。
藍沢幸
そーなの?
白石桜
幸、パパと暮らしたい?
藍沢幸
ママは?
白石桜
…ママには、もうすぐ会えるわ。
藍沢幸
パパ!あそぼ!
藍沢耕作
あぁ、いいぞ。
幸は思ったより喋れて、利口だった。
恵に似たのか愛想が良くて、可愛らしい顔をしていた。
藍沢幸
ママ、どんな人?
藍沢耕作
ママは、綺麗で、強い人だ。
藍沢幸
ママ、僕の事好き?
藍沢耕作
あぁ。
藍沢幸
パパは?
藍沢耕作
大好きだ。
藍沢幸
ほんと?
藍沢耕作
ほんとだよ。
すると、幸はいきなり泣き出してしまった。
藍沢耕作
!?どうした??
藍沢幸
僕、ずっとパパやママにきああれてうとおもってた…グスッ
まだこんなに小さいのに、そんな事を思わせてしまっているなんて。
俺は、あの頃を思い出す。
「僕はいい子?」と毎日毎日ばあちゃんに聞いていたあの頃。
藍沢耕作
俺もいなかったんだ、パパとママ。だから、こんなに無愛想になったのかもしれない。
幸、これからはお前と一緒にいるから、俺みたいになるなよ?
藍沢幸
………グスッううん、僕、パパみたいにないたい。
藍沢幸
パパ、おいしゃさんなんでしょ?
僕、パパみたいに優しいおいしゃさんになう!
藍沢耕作
そうか…。
何だか、涙が出そうになった。
息子に、俺の事を認めて貰えたみたいで。
藍沢幸
おばさん!!
白石桜
何?
藍沢幸
パパと住む!!
白石桜
そう。
白石桜
じゃあ、藍沢さん…お願いします!
藍沢耕作
はい。

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