不死川said
初めて会った時、あいつはボロボロの服を着て、鬼が出る森に一人、たった一人でいた。
どうしたんだ?と声をかければ、お父さんとお母さんに置いていかれた、、そう細い声で言ったんだ。
それを聞いた瞬間、守ってあげたい。そう思った。あとから気づいたがあいつは稀血だった。どうやって鬼をたおしたんだ?と聞けば、お母さんに渡された刀で倒した。といった。
この小さい子が?鬼を?、、、そんなはずない、そう思いながらも、訓練させたら、才能の塊だった。
あいつとずっと一緒にいたい。そう思って継子にした。
訓練させていくうちに強くなっていくあいつを見て惹かれた。
そんなこと今まで無かったのに。気づけばいつもあいつのことばかり考えていた。でもその時は、あいつのこと継子としか思ってなかったのにあいつの鳥が言ったあいつの死によって失ったものの大切さを知ったんだ。
もっと一緒にいたかった、
もっと一緒に稽古したかった、
もっと一緒におはぎ食べたかった、
最近はそんなことばかり考えてる。
会いたい。あの笑顔をもう一度見せてくれ。
会いたい。もう一度おはぎを作ってくれ。
会いたい。あいつの笑顔が見れるなら、俺なんだってする。
来世では、絶対俺が幸せにする。
だって俺は、、、あいつが好きだから。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。