不死川said
驚いた。
俺とあなたをこの世界に送った鬼がいたから。
その鬼はこう言った。
あの娘?
あなたのことか?
俺は鬼の言葉を待った。
戸惑った。
俺はあなたのことを本気で好きじゃなかったのかと、
俺は本当にあなたのことが好きなのかと、、
そう思った。
ぽん!
言ってしまった。
でも俺は鬼の言葉に安心してしまった。
そうかあなたはまだ誰も好きじゃないんだと。
でも裏を返せば、俺の事を男として見ていないということになる。
それは我慢できなかった。
俺はあいつと元の世界に戻りたい。
その為なら俺はなんでもする。
ふとあなたを見た。
あなたは大声を出して自分の腕を切った。
あなたは稀血だ。鬼が食いつかないわけが無い。鬼共はあなたを追いかけた。やばい、本能がそう言う。
守れと、戦えと、気がつけば俺はあなたの近くにいた。
それからは早かった。
技を出して一気に殺し、残った鬼を二人で倒していく。
その間にも俺の頭はあの鬼が言った
本気じゃなかったのか?
という言葉が離れなかった。
頭が混乱していて、あなたが何を喋っているかも分からない。
おれはほんとにあいつのことが好きなのか?
なぁ、誰か教えてくれ。
俺はこれからどうすればいいんだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。