ひょいひょいと、服の袖を引かれる。
振り返ると坂田が居た。
坂田悠、俺のまぁ…彼氏?
ん、?旦那?あれぇ、、、?
俺の耳に囁くように言った。
「耳と尻尾、出てるよ。」
、と。
俺が慌てると坂田はギュッと優しく抱きしめてくれる。
ふっと力が抜けると、耳が戻った様な感覚になった。
にこっと笑う坂田。
俺は短く「ありがと」と返す。
素っ気ないなぁ、なんて思ったけどね。
俺達は猫族。
まぁ、pi〇ivとかにある猫化みたいな感じ。
ただ、猫族にも掟があって人間にバレちゃ駄目っていう、ね。
めんどくせぇなぁ…。
そう、俺の好きな食べ物はアイス。
GODIVAに限る。()
クラスメイトの奴にGODIVA見せられた時の反応を面白がられるのだ。
ついでに興奮して耳と尻尾が出る為、
なんとまぁ、めんどくさい。
俺らは軽音部に入っている。
結構特殊な。
もちろん俺達だけじゃなくて他にもいるけどね。
あそこの天使は相川真冬。
高一で俺らの後輩。
向こうで叫んでるのは彼方先輩。
一ノ瀬彼方先輩。
あの二人はユニットを組んでいるのだ。
あ、俺達の活動内容はね、
ニコニコっていうサイトで動画アップするんだ。
coverとかoriginalとか。
真冬は作詞作曲出来てすごいし、
彼方先輩はMIXの神。
よく2人には依頼をしている。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。