「案内してあげる!」
え?今なんて?
ていうか、この子
知らない人相手に
警戒心なさすぎだろ
「え、ぼ、僕は」
「いいの、遠慮しないで」
彼女は僕の手を握る
「ぅえっ!?」
彼女は走り出す
僕の手を掴んだまま
森についた
「ふぅ、結構奥まで来たねー」
「ぜぇ、、、はぁぁ、、、」
僕の「人参よりちょっと強い」レベルの
足は彼女のはやさについていけなかった
彼女が口を開いた
「そういえば、自己紹介まだだったよね」
そうだ、まだ彼女の名前を聞いていない
「私はマリ
緒方真里っていうの
あなたは?」
「僕は板尾蒼太よろしく」
僕も一応名乗っておく
「蒼太はいつまでここにいるの?」
「しばらくいるよ」
「なら、またここで会おうよ!」
「えっ!?」
「じゃあね!」
なんなんだ、この子は、、、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!