第11話

にの「10話っす!」
199
2020/10/27 09:40
シオン(?)side

ヒリヒリと頬が痛い…。

私、ひっぱ叩かれたの…。

にのの目はキッとしてて少し怖い。
シオン
シオン
っ…。思い出すって何なの…?私、本当にわからないのに。何を思い出せって言うの?みんなのことで覚えてるのは名前だけだよ…。
らぁら
らぁら
な、名前だけ…。
名前だけ


少し冷たいその言葉は私の心の中に残った。

名前…。

らぁらにみれぃにそふぃにドロシーにレオナにみかんにあろまにふわりにのんにちりにペッパーにゆいににのにみちる

ほら、覚えてる…。名前だけ。
ちり
ちり
っ…。名前…。名前だけでも私は充分です!
シオン
シオン
へっ…?
ちりは少し悲しそうな目で私を見た。
ちり
ちり
さっきは言い過ぎました。その、ごめんなさい…。あと、えぇっと少し屈んでくださいっ。
シオン
シオン
屈む…?
言われたとおり屈むと、ちりは自分の髪を結んでいたゴムを取って私の髪を結びはじめた。
そふぃ
そふぃ
ちりちゃん…。
ちり
ちり
おろしてるけど、やっぱりシオンさんはサイドテールじゃなきゃです!私はサイドテールのかっこいいシオンさんに憧れたんです!
憧れ…

サイドテール…


知らないうちに髪は結び終わっていた。
シオン
シオン
ありがとう…。それじゃあね…。
サイドテールの髪を揺らしながら私はそっぽを向いてあるきだした。

プリ小説オーディオドラマ