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第27話

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2020/07/07 13:11
あなたside






座卓の上に肘をついて、傷口を心臓より高い位置に


そのまま指で圧迫。





利き手じゃなくて、まだよかった。









風磨「…父さんがさ、」



私の指に絆創膏を張りながら

風磨くんが話し出す。



風磨「あいつら、どうするかは

あなた次第だけど、


あなたを傷つける奴らなら、ここにおいておけないって」







だいぶ気に入られてるんだなって、

笑うけど、笑えないよ。






毎日毎日怪我をするのは嫌だけど

もし、追い出したりなんかしたら






他の6人はともかく、

大吾さんが…。









「だめだよ、

頑張って執事にするから」




風磨「え、執事欲しかったんだ」





そうでもしないと、言わないと、


どんな風に対処されるかわからない。









同情とか、哀れんでるとか


そんなのじゃない。









ただ、ここを出て行った後に

野垂れ死なれたりなんかしたら



気分が悪いってレベルでもないし…。









 





心配、それだけなの。









もちろん、私に何かを決める権限なんて

ないんだけれど…。









風磨「今日は指濡らすなよ」









風磨くんが部屋を出ようとする

思わず、風磨くんの服の袖をつかんだ。









風磨「あなた?」




「…あの、話したいことがあって…」









風磨くんの手が頭に触れて

わしゃわしゃと撫でられる。









風磨「わかった、夜にいくらでもきくから


今は、メシ」









そのまま、私をおいて、

部屋を出て行く。







熱い。



触れられたところが、熱い。











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