「わっ、」
突き飛ばされて、
倒れそうになるのを
のんちゃんが受け止めてくれた。
小瀧「…危ないやん」
殺気立つ大吾さんを睨むのんちゃん。
大吾「…お前の、せいで…」
淳太「あなたちゃんは悪くないやろ
身代わりに一般人を差し出す
ミヤビの神経、どうかしてるわ」
風磨のもとに戻ると
私を庇うように、手をのばした。
「…風磨くん…、どういう…」
家庭内は最悪だった。
それでも、環境はまだマシだったんだ。
風磨「…ミヤビは、…死んだ」
だって、一週間くらい前はいたじゃない
意地悪そうな笑みを浮かべて……。
大毅「これが、嘘つきの末路やで」
優しいはずの彼らなのに、
住む世界は真っ黒で、暗くて
「…わ、わた…し…」
風磨「あなた、」
気持ち悪い、怖い、怖い、なんで、なんで…。
いろんな感情がぐるぐる渦巻く。
私、こんなとこに来ちゃって…、
場違いってレベルじゃない。
「 …誰だって、一回くらい
嘘ついたこと、あるでしょう…?
それを、そんな…ひどい」
簡単に、誰かの命が奪われるなんて
そんなこと、あっていいはずがない。
大毅「俺らは、そんなひどい世界に生きてるんやで」
踏み込んだら、もう出られない、
底なしの地獄みたい。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。