「 黙られんのが一番困んねん
ミヤビやないんはわかってんねん 」
腕を、掴まれる
痛い、力込められてる、痛い…
「 …っ、う… (泣)」
耐えきれなくなって
ポロポロと涙が零れる
また、うざそうに嫌味でも言われるのかと
思ったら、
「 えっ、あ、ちょ、まって?
泣かんとって?
女の子に泣かれたら俺どうしたらいいんか…
誰かきてー! 」
その人が大声でよぶと
もうひとり、
ソファーまで近づいて
私の前にしゃがんだ
唇厚いひと……
「 ごめんな、怖がらせたいわけでも
脅したいわけでもないねん
でも、ひとつ教えてな?
坂道あなたさん、であってる? 」
小さく頷く
「 あそこにいた経緯はいえへん?
あと、ミヤビとの関係 」
これを喋ったら
風磨くんに何かおこってしまうのか、
私には、わからない
まわらない頭は
恐怖と寂しさから
風磨くんのことばっかり考えてしまう
鼻をすすって、
顔を手で覆う
ぐちゃぐちゃな顔を
見られたくなかったから
貴方「 …しゃべ、ったら…
ふうま、くん、、きくちっ、ぐみ、に、
なんかするん、ですか…っ?(泣)」
「 …菊池組と関係あるん? 」
低い声は恐怖を増すだけで
「 ふうまくんたちに、なにもしないで、ください…っ 」
ふーっと、深いため息を
つかれた
「 …わかった、
じゃあ、話してくれるか? 」
また小さく頷く
差し出された手を
ゆっくり握った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。