ごはんの用意ができて、7人を呼びにいこうとした、ら
部屋から、大きな音。
え。
すぐに部屋に向かう。
なんと言えばいいんだろう。
大吾さんと流星さんが
取っ組み合いの喧嘩をしている。
威嚇しあう犬みたい。
「やめてください!」
2人をはがそうとするけど、
力がかなわない。
逆に突き飛ばされる。
いっ、たぁ…。
畳の上で、ずさーって擦れる。
血は出ないけれど、
畳で擦れるのは、ヒリヒリ痛い。
ぴたっと、流星さんの動きが止まる。
視線は私の、手。
「…あ、」
コップが割れている。
ガラスの破片が指に、
赤い赤い
血が、流れている。
そのあと、すぐに
風磨くんたちがきた。
大吾さんと流星さんは
風磨くんのお父さんからの“お説教”をうけるんだって。
連行されていくみたいにみえた。
北斗さんが、破片を片づけている。
そのとなりで、動けない私。
指先の血。
舐めちゃえば、大丈夫かな、
そんな風に考えてたけど
たくさん血がでる。
傷口は小さいのに、浅いはずだけど。
ゆっくり口元にもっていくと
風磨くんが私の手をつかんでそれをとめる。
風磨「舐めるな」
やっぱり、私は邪魔なのかな
こんなとこにいちゃ駄目なのかな。
そんな思いが消えない。
蛇口から流れる水で
傷口を洗い流す。
流れ落ちる水みたいに
こんな感情も、すぐ消えちゃえばいいのに。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。