同じ失敗を繰り返したくなかった




でも、不思議とこの人なら大丈夫だと思った

口から言葉が流れ出た









私は難発性吃音症というものを患っている
発達障害の一つだ
言葉を発する前に間をおかなければ発声ができない







私の母親は優しい人だった
父親も優しかった
母親はアロマセラピストだった

しかし、母は死んだ

中学一年のことだった

それからしばらく家から出なかった

三週間後、久しぶりに学校に行った





 




声が出なかった




父親の前ではすらすらと話せた
でも友達を前にすると突然声が出なくなった
喉から声を引っ張り出したかった
どうしても出なかった

友達に大丈夫かと聞かれた




答えることが出来なかった
ただ首を振るだけしか出来なかった

次の日から私は教室の隅で過ごした

みんなは
「あいつ喋らないぞ」
「話しかけてんのにだんまり決め込んでる」
「先生にさされても答えないし」
「あいつの声聞かないよな」





最初はそう言われるだけだった
反論することもできないので耐えた











いつの間にかそれはいじめに変わった
学校に行くのが嫌だった










父には相談しなかった
吃音は父の前では解消される
吃音のことを話しても信じてくれなかった
いじめのことは言わなかった
母が死んだ後で父に迷惑をかけたくなかった





ある日、父が女を連れてきた
放たれた言葉に衝撃を受けた







「新しいお母さんを迎えようと思う」


私は衝撃を受けたが快諾した
新しいお母さんは優しかった


しかし、これが間違いだった






結婚してから継母は豹変した
父がいなくなると
「なんでこんな娘が…」
「一言も喋らねえし」
「突っ立ってないで皿洗ってよね」

家事を押し付けられた
私は家事をこなした
しかし継母は父に向かって甘い声で
「おかえりなさい♡♡
家事は全て済ませましたよ♡♡」
と言う







学校にいればいじめられる
家にいれば継母にいじめられる
父には迷惑をかけない為に相談できない
八方塞がりだった









私は屋上にいた
神様に嫌われている







身を投げた
 


そんな時体が熱くなった
落下が止まった
轟炎が私を包んだ


エンデヴァーだった
エンデヴァーは多くを語らなかった
ただ、一言






「人生いくらでも挽回できるぞ」





そう言ってエンデヴァーは行った








それから父と話し合った
父は何度も謝ってくれた
継母とは離婚した
学校も辞めた


それからオランダへと渡った
大義名分は父の仕事

本当は日本の学校から逃げるため

オランダに着くと父の知り合いで吃音を研究している人と共に吃音改善に務めた




私の頭の中にはエンデヴァーがいた
ヒーローになりたい
そう思うようになった


オランダのヒーロー高校に入学した



吃音は大分改善された
しかし「ま」行だけが困難だった



日本に来てから今まで、「ま」行を1度も発音していない

日本に帰国して初めてま行を発した

爆豪くんはそう言って寮へ入っていった

エンデヴァーに似てるかも
そう思った









今回長いですよね、ごめんなさい
あなたちゃんの過去を公開しました
吃音症。
しっかり理解している人は少ないと思います
私は吃音症を患っているわけではありません
しかししっかり理解してあげて欲しいです

はい！
これからもこの小説は暗めです！
(意気揚々と言うなよ…)
ほんとに嫌な人は閲覧注意です！
次回もお楽しみに！