朝6時))
今日は春期講習3日目
昨日のテストでノルマ達成しなかった。
だから今日は絶対にノルマである9割採らないといけない
そのために早起きして
宿題を完璧に全部解けるようになるまで
取り組んだ
そして数学は復習問題が出る。
なんの勉強をしようって考えながら
とりあえず今までの数学のテキストを見直すことにした。
棚に手を伸ばすとき、私は気付いた。
もしかして、緊張してる…?
自分では気づかないうちに
手が震えていて、それに気づくと今度は心臓の音が聞こえた。
だから字を書く時も書きづらかったんだ…
昨日の放送
先生の怒った声
勉強範囲外の問題
教室に入ったときのみんなの雰囲気
自信なさげに答案用紙を渡してきた子の顔
嬉しそうなざわくんの照れ顔
全てを思い出して
今日はノルマ達成しないと
っていうプレッシャーにつぶされそうになった。
あの時に知った
本当の緊張を。
心は落ち着かないまま
家を出る時間になった。
電車))
優しい声も耳に入らなかった。
塾について
それぞれの教室に入ると
教室の生暖かい温度が私の緊張を少し解した。
先生が教室に入ってきて忠告した。
自分の名前が呼ばれた瞬間、
分かってるよって反抗心を抱いた。
でもそれは、緊張という重りが増えたことを感じないようにするためだった。
チャイムが鳴ってテストが始まった。
昨日と作戦は同じで得意な順に解いていく
数学の復習問題は構えていたから
解くことが出来て、
手応えとしてはいい感じなんじゃないかな。
またチャイムが鳴って隣の人と交換採点。
隣の人は昨日と同様で
不安定になることなくノルマを達成していた。
まあ、私も手応えあるから。
きっと大丈夫
そう思って採点済みの答案を返した。
私の答案も返ってきた。
なんで…
昨日とはまた違う。
本当のピンチを味わった
国語78点
数学48点
理科52点
社会82点
英語100点
合計360点
8割すらたどり着いてない数字に
悔しさだけが残った。
呼び出されるから怖いとか
きっとクラス内で最下位だから悲しいとか
そう言うことじゃない。
あれだけ一生懸命に
早起きして
宿題を完璧にやって
数学のテキストを見直してまでした。
それの結果が全く報われていないことに
ただただ悔しいだけ。
涙が出そうになったけど、耐えた。
お弁当の時間も塾内放送してたけど全く聞かず。
授業は全て終わっていた
みんなが帰る準備をしてる時に
塾内放送がかかった。
突然、先生の声が変わった
重い足取りで職員室まで行くと
いつもは優しく面白い(てつやみたいなby作者)先生が手で
こっちへ来いと言うように招いた。
手招きされた場所は個室でドキッとした。
こんなに苦しいドキッは初めてだ
先生は大きく息を吸った。
若いから体力あるし…
やっぱり怒鳴られるのかなって覚悟した。
その言葉からは
少し先生からの悔しさも伝わった。
なぜこの点数なのかって私も聞きたい。
なんて言ったらいいのかわからなくなって黙っていた。
その通りなんだと思う。
今日の朝、
ノルマ達成するぞって気合い入れて頑張って、気づいたら手が震えてて。
一生懸命頑張れば結果は返って来ると思ってた。
でも、返って来なかったから
悔しくて。
すごいプレッシャーだったのに
絶対に今日はランキングに名前呼ばれてやるって思ってたのに
ざわくんたちにおめでとうって言われるつもりだったのに
泣いてた。
先生の声は少し明るくなって
もうざわくんたち帰っちゃってるかなって思いながら
塾の出入口まで行った。
にやけながらりょうくんが聞いてきて
としみつくんが焦るように注意した。
としみつくんは私に聞いてきた
なんか私は吹っ切れて
明日はしっかりと頑張れそうなきがした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!