目を覚ますと、白い天井。
保健室……か。
美咲が?
あんな小柄な体格で?
美咲……
美咲はそこまで私にしてくれるのに
私は……
あぁ、本当に自分が嫌になる。
素直じゃなくて
最低な自分が。
このままでいいのかな。
私はどうしたいの?
ひろに
気持ち伝える?
そんなこと絶対できない。
第一、私みたいな素直さや可愛さの欠片もない人を好きになる人はいないだろうしなぁ。
それから20分程して、保健室の扉が空いた。
ひろが美咲を連れてきた。
うちの学校の体育は2クラス合同で行う。
ひろは保健委員だし、女子の保健委員の子は今日は休みで、連れてきたのも普通なこと。
なのに……
なんでこんなふうに思っちゃうのかな。
そうして、先生とひろは保健室から出ていった。
美咲と二人きり。
今は一番二人になりたくなかったのに。
お礼くらい……言わないと……
はぁ……
美咲に私は何一つ勝ててないや。
ひろも美咲か私だったら絶対美咲を選ぶだろうな。
先生が戻ってきて、私たちの会話は中断された。
本当に自分が嫌になる。
ひろは、私のことどう思ってるんだろう。
そんなこと聞いても無駄か。
はぁ。
私、これからどうすればいいのかな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。