第19話

返事
316
2020/03/26 07:12

私とひろは放課後の教室に残り、あの話をすることにした。


元田裕翔
由希。
天野由希
ん〜?
元田裕翔
返事していい?
天野由希
あ、うん。

すっごい余裕かましてるように見えるかもしれないけど、めっちゃ心臓バクバクしてるよ……


やばい。


元田裕翔
俺も、好きだから、つ、付き合ってあげてもいいよ?
天野由希
何照れてんの?
元田裕翔
照れてねーし!
天野由希
素直になったらー?


正直、昨日は今までのこの会話やこの関係が崩れるんじゃないかって思った。



でも、今は勇気出してよかったと思う。




それから、私たちは昇降口を出て、帰ることに。



天野由希
ねぇ……
元田裕翔
何?
天野由希
私のどこが好き?
元田裕翔
はっ!?え!?

そこまで驚かなくてもいいのに……



元田裕翔
何で?
天野由希
気になっただけよ?
元田裕翔
俺はね……


ほうほう!!


聞きたい聞きたい!!

元田裕翔
本当は優しいところ、笑顔が可愛いところ、素直じゃないところ……
天野由希
それだけ!?
元田裕翔
綺麗なところ!
天野由希
ふーん。


てか、素直じゃないところ好きなんだ。


ひろも変わり者だね。

元田裕翔
俺も言ったんだから、由希もな?


やっぱりね。


そう来ると思ったよ。


天野由希
えーとね、優しいところ、一緒にいて楽しいところ、落ち着くところ、かっこいいところ?
元田裕翔
お前もそれだけかよ。ふっ。
天野由希
ひろが言えることじゃないからー。



あ……



あれ言っておかないと。


天野由希
ねぇ、ひろ。
元田裕翔
何?
天野由希
私たちが付き合ってること、周りには言わないで?
元田裕翔
なんで?
天野由希
片山とか、また騒ぎそうだし。


今日みたいなあんなこと、もう絶対やだ!



こうなったら、隠すしかない。


元田裕翔
わかった。
天野由希
じゃあね。
元田裕翔
また明日な。


そうして、私は家に帰った。




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