第2話

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1,571
2021/09/11 12:40
灰谷said



俺らが少年院に入っていた数年間、

姉はある事故で深い傷を負った

多分俺らが潰した族の糞野郎が姉に八つ当たりしたんだと思う

今俺らが向かっているのは病院

勿論姉に会いに来た




急いで来たせいで珍しく息が上がっている

看護師に場所を聞くと
看護師
灰谷さんは…今面会できる状態では無いんです


そう言われた


でもどうしても会いたかった

謝りたかった


俺らのせいでごめんって

痛かったよなって辛かっただろって

精一杯謝りたかった



そしてどうしても謝りたいと看護師と医者を説得すると

ある病室に案内された





"集中治療室"



聞いただけで不安がどっと押し寄せた
医者
今は精神状態が安定していますが
また暴れたりするかもしれないので
ここで治療という形になっています
灰谷竜胆
姉ちゃん…
灰谷蘭
…心配すんなあなたは強かったろ?
灰谷竜胆
……ん


いつも笑顔を絶やさない俺らのあなた

俺らにも凄く優しくしてくれた


今も変わってないのだろうか

それともまた元気に


"らんちゃん!" "りんちゃん!"


そう呼んでくれるだろうか


そんなことを考えていたのも束の間


集中治療室のガラス張りを見た
医者
こちらです
灰谷蘭
ッ、
灰谷竜胆
…ぁ、ッ



ひゅっと喉が鳴る



目の前には変わり果てた




あなたの姿
あなた
離してよぉッ!!!!死んでやるッッッ!!
看護師
灰谷さん!!落ち着いて!
あなた
こんな、ッこんな姿!!醜いだけじゃない!!
医者
あー…ちょっと待っててね


そう言って医者は病室に入って行った

そしてあなたの下の名前に何か言っていた


暫くして、医者と看護師が病室から出てきて、
医者
…少しお話があります


嫌な予感しかしなかったんだ
あんな姉を見て、

言われることが分かりきっていたはずだった

でも俺らが思っている以上に姉は




苦しんでいたんだ

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