無料スマホ夢小説ならプリ小説 byGMO

363
2021/09/15

第6話

f i v e

あなたsaid









今日も弟と名乗る人が私の所へ来た


私のところに来るだけでも珍しいのに、毎日来るとは

今日は2人でなく1人だけだった


三つ編みの人



その人は病室に入ってくるなり
灰谷蘭
…本当に忘れちまったのな
そんな事を言った

だから分からないって言ってるのに

私に関わらなきゃ良いのに

看護師や医者だって私と顔を合わせる度に

困った顔をするのに


どうやら名前は蘭と言うらしい

自己紹介をしたあとはずっと沈黙が続いた

さすがに気まづいので

何とか話しかけた
灰谷()
ねぇ、青色ってどんな色?
灰谷蘭
…いきなりかよ
灰谷()
ふふ、いいじゃん


色の判別も最近難しくなってきてしまっていた

しかも記憶障害と言われてどの色が綺麗で

どの色が好きなのか、凄く曖昧になってしまっていた
灰谷蘭
そーだなぁ…


蘭は少し考えたあとこういった
灰谷蘭
冷たい色、とか?
灰谷()
冷たい、色…


私は1度、青と書かれた絵の具を見た

冷たい色…じゃあ暖かい色もあるのか
灰谷蘭
てか姉貴何書いてんの


蘭に姉貴と呼ばれたとき、少し違和感を感じたけど

その時の私には分からなかった
灰谷()
海、…ここからの景色は綺麗なの
灰谷蘭
ふーん…そ、

でもね
灰谷()
私ね、
灰谷蘭
灰谷()
このままだと目、見えなくなるんだって
灰谷蘭
…は、?
灰谷()
だから、もうこの景色も
見れなくなっちゃうんだって
灰谷()
何なんだろうねほんと…
灰谷()
全部嫌になってくる


身体の弱い自分も

すぐ挫けてしまいそうになる自分も

全部大っ嫌い
灰谷蘭
…俺らが何とかしてやる
灰谷蘭
だから、
蘭に視線を移すと凄く苦しそうな顔をしていた
灰谷蘭
だから、生きんの諦めんな
灰谷蘭
俺らがお前の生き甲斐になってやるから
灰谷()
……

蘭という人はもっと冷たい人だと思っていた

優しいんだ

こんな本当の姉弟かも分からない人に生きろって言

ってくれる人が居るんだ
灰谷()
ありがとう
灰谷()
優しいのね

今私が言えるのは




この二言だけだった
灰谷蘭
……ぎゅってして良い?


この言葉には結構驚いた

でも自然と受け入れていた
灰谷()
いいよ、はい
灰谷蘭
……


多分10分ぐらいしてたんじゃないかな

結構長くて少し戸惑った
灰谷蘭
……ありがと
灰谷()
どういたしまして
灰谷蘭
じゃーな
灰谷()
うん…
そして蘭は帰っていった