グクオッパには少し変わった…というか、だいぶ変わった性癖がある。それは、性行為中に私の首を手でぎゅっと絞めるのだ。
『ねぇオッパ…久しぶりにえっちしよ?』
ソファに寝転んでFPSに没頭しているグクオッパを思い切って自分から誘ってみた。
「…は?」
一拍おいて向けられたのは間の抜けた声とゲームなんかそっちのけで私を見上げるグクオッパの顔。
『いや?』
「いやとかじゃなくて、」
「……またあなたの事をこの手で傷付けるかもしれないって思うと恐い、から…」
オッパは手からスマホをソファに滑り落とすと、視線を下げて哀しげな表情を浮かべた。
あの夜の息苦しい圧迫された痛みとオッパが私に向けた殺意のある険しい表情が脳裏を過ぎる。
少し…ほんの少しだけ恐いけれど、いつもの優しいオッパが本当だって、私は信じているから。
『…大丈夫だよ』
立ったまま抱きしめれば私の胸元にオッパは顔を埋めて、そっと私の腰に腕をまわした。
オッパは私を軽々抱き上げると、向かった先は寝室だった。
窓から射し込む月の明かりが、ぼんやりと寝室を照らす。
「……」
オッパは何も言わないまま、私の体をベッドに沈めると上に跨って顔を徐々に近づける。
それを察した私はゆっくりと瞼を閉じた。
『……んっ、ぅ…』
ふにっと生暖かくて柔らかいグクオッパの唇が私の唇に吸い付く。
お互い息を吸う間もないほどの激しいキスではないけれど、私にとっては何よりも情熱的で心地の良いキスだった。
それからも、オッパは優しい手つきで私の胸を触ったり熟れた秘部の割れ目を撫で上げるから、やっぱりオッパは私の事を大切にしてくれているんだと安心した。
『ん…オッパ……もう、っ』
懇願すると、オッパはズボンを下ろして膨れ上がった自身のソレに手際よくゴムをはめる。
そして、私の腰の横に両手をついてぐっとソレを秘部に沈めていった。
『んぁっ…!』
オッパとするのはあの日以来だったから、馴染んでいない私のそこは入れられるだけで軽く果ててしまった。
「ぅ、締めすぎ…っ」
オッパは苦しそうに顔を歪めるけれど、勝手にキュンキュンと締め上げてしまうからどうしようもない。
『……ん、はぁ…』
やっと余韻が解けて締め付けが緩くなったところでオッパはまた腰を打ち付けを始めた。
『んぁあっ…、オッパ…激し、い……っ』
自分の欲に任せてガツガツと打ち付けるオッパの目の色は最初よりも黒く濁っているような気がする。
「はっ…、あなた、ごめん、俺やっぱり……」
腰を振り続けながら一瞬顔を俯かせるから明らかに様子がおかしくて、
『…グクオッパ……?』
恐る恐る名前を呼んだ。
「……」
私の声で顔を上げたのはオッパの筈なのに全く知らない男性のようで。
早くオッパの傍から離れないと危ない気がして身を引こうとしたけれど、
『……んぐっ…、!?』
もう遅かった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。