無料スマホ夢小説ならプリ小説 byGMO

21
2021/07/23

第2話

相談
数ヶ月前

翔は中学校にあがってすぐ、笑顔が無くなりあまり喋らなくなった。
学校で何かあったのか...?
そう思っても中々話を聞く時間が取れなかった。
晴
翔...自分のこと話さないもんな。
澄
でも蒼空のケアで僕ら精一杯だし...。
蒼空
蒼空
??
帝耀
帝耀
翔と話す時間も取りたいけどな...。

そう言っていても、実際は個々の学校や蒼空の世話で忙しく、翔まで気が回っていなかった。

そして精神的にも不安定だった翔にトドメを刺したのは、俺だった。
俺が部屋で勉強していた時だ。
翔
晴兄...今、いい...?
晴
...ん?
どうした?
翔
あ、あの...相談...が、あっ...て...。
晴
......?
翔
.....学校で...
翔がそこまで言いかけた時、蒼空の泣き声が家中に響き渡った。
澄
晴兄、ヘルプ〜!!
帝耀
帝耀
大丈夫大丈夫。
晴
...翔.....。
俺は迷った。
蒼空をとるか、翔をとるか...。
そしてその当時勉強でも苦戦していて、俺は焦りを感じていた。
俺の精神も少し不安定だったんだと思う。
今では考えられないような言葉を、翔に言った。
晴
翔...それ、今じゃないとダメか?
翔
.....え...と.....それは.....。
晴
...蒼空のヘルプ行ってくる。
俺はその時はっきり見たんだ。
翔の目にはハイライトが入っていなかった。
翔の目をしっかり見たのは久しぶりだった。
翔
うん.....行ってらっしゃい...。
そこから翔は変わった。
俺が後から「前の相談って何だったんだ?」とさりげなく聞いても、「もう大丈夫」と苦しそうに笑って返された。

そうやって翔は、自分の苦しみや悩みを言い出せない子になっていった。


そしてその数日後に、俺は翔の学校に呼ばれた。
晴
...本当に申し訳ありませんでした...!
先生
...お兄さんがまともな人で良かったですよ。
翔くんの方は何も言いませんけど。
晴
...翔も謝れ。
翔
.......
いじめっ子
おい、謝れよ〜。
いじめっ子
お前のせいで俺ら怪我したんだぞ。
翔は同級生を殴ったらしい。
原因を聞いても何も答えなかった。
家に帰って、翔に聞いても何も言わなかった。
晴
翔...何であんなことしたんだ?
翔
.......
晴
...翔。
翔
........
晴
悪い事をしたらちゃんと謝れ。
翔
.....に。
晴
...何だ?
翔
晴兄は何も知らないくせにっ!!
その時初めて翔の大声を聞いた。
晴
翔...?
な、何があったんだ...?
翔はリビングを飛び出して、自分の部屋に引きこもった。
弟達にその事を話すと、皆で様子を見に行くことになった。
晴
...翔。
さっきは悪かった...。
帝耀
帝耀
学校で何か嫌なことあったのか?
澄
兄ちゃん達に言って...。
樋倉
樋倉
...翔?
樋倉が翔の部屋のドアに手をかけると、鍵はあいていた。
みんなで顔を見合わせて、中に入った。
澄
...翔ッ!
翔
.......
翔は無表情で90点越えのテストを破いていた。
部屋には血が付着しているカッターや、暴言が書かれてぐしゃぐしゃになったノートが落ちていた。
樋倉
樋倉
...翔、何してるの。
樋倉が翔の手を掴んだ。
翔が破いていたテストには「94点」と書かれた横に「Excellent(素晴らしい)!!」と赤文字で書かれていた。
翔
.......
帝耀
帝耀
.......
帝耀は床に落ちたボロボロのノートを拾った。
中を開くと、「〇ね」「ガリ勉」「陰キャは生きる価値無し」「学校くんな」「気持ち悪い」...と、沢山の文字が乱暴に書かれていた。
帝耀
帝耀
これ.....
澄
...いじめ?
澄と帝耀が翔を確認しても、翔は何も反応しない。
晴
...翔ッ!
俺が翔の肩を掴んで、少し揺さぶると、翔は生気を失った顔でこっちを見た。
翔
......どうしたの...?
澄
翔...
帝耀
帝耀
なぁやっぱり辛いんだろ...?
樋倉
樋倉
翔...話してくれない?
その瞬間、リビングで蒼空が泣き始めた。
蒼空
蒼空
うあああああああああああ!!!泣
お母さん
晴達ー!!
早く降りてきなさい!
晴
な、何で今.....
帝耀
帝耀
誰か一人だけ残るか...?
お母さん
何してるの!!
早く降りてきなさい!!!
俺達が翔を見ると、翔は無表情のまま言った。
翔
.....行ってきなよ。
蒼空泣いてるじゃん.....。
樋倉
樋倉
でも...
翔
.....何で迷うの?
澄
翔の方が心配なんだよ。
翔は俯いて言った。
翔
......早く出てって。
帝耀
帝耀
翔、俺らはッ...!
もう遅かった。
翔は限界まで達し、もう俺達を頼ってこなかった。
翔
.......早く出てけよ。
澄
...翔...?
翔
...僕は後回しなんだろ。
晴
ッ...!!
あの時は...あの時は悪かった!だから...
翔
.....うるさい。
樋倉
樋倉
.....
翔
.....蒼空の方行けよ。
帝耀
帝耀
翔...
澄
...出てったら話してくれるの?
翔
.....
澄
話してくれないなら出ていかない。
翔
.....分かった。
ちゃんと話すから出ていけ。
晴
.......
俺達は顔を見合わせて、渋々部屋から出た。
それが真面目な翔とのお別れになった。