第14話

番外編 1『コインで決める理由と過去』
782
2020/08/08 12:05
ある日聞かれた。










麗日お茶子
ねぇ、あなたちゃんはそのコインで
物事を決めてるけど、
自分で決めないの?
耳郎響香
あ……確かに何かを決める時は必ず
そのコイン使ってるね
蛙吹梅雨
なにか理由でも
あったりするのかしら?ケロ
麗日さんや耳郎さん、蛙水さんが


発した言葉に全員がこちらを向く。
みんな:(知りたいっ……!!)
あなた

………(ニコッ

あなた

どうでもいいの。

麗日お茶子
へっ?
あなた

全部どうでもいいから
自分で決められないの。

切島鋭児郎
……そ、そんなことないと思うぜ!
どうでもいい事だったら
コインですら決めないし!
あなた

……(ニコ ニコ ニコ

切島鋭児郎
な、なぁ?!
あなた

……(ニコニコニコ

爆豪勝己
……おい、貸せ。
『貸せ』そう言って私の手からコインを取る

爆豪さん。
あなた

…うん

ピンッ

パシッ
切島鋭児郎
!?
緑谷出久
(えぇ!?あのかっちゃんが
コインを!?)
あなた

…何を決めたの?

爆豪勝己
お前が心のままに生きるかどうかだ。
爆豪勝己
裏は今まで通り
コインに任せて生きていく。
表は心のままに生きる。
あなた

どっち…?

爆豪勝己
………!
フッ、どうだろうなァ?
轟焦凍
どっちが出たんだ、教えろ爆豪。
爆豪勝己
…お前は空気が読めねぇんか…!!
轟焦凍
空気…空気は読むものじゃないぞ?
そんなことより…
早くどっちが出たのか
教えてやれ。
轟焦凍
緋彗がうずうずしてるぞ。
あなた

…………(ウズウズウズ

八百万百
くっうぅ…(ギュンッ
(うずうずしているあなたさん…
愛しいですわ…!!)
緑谷出久
(八百万さん…
震えてるけど大丈夫かな…)
※大丈夫です。あなたちゃんのうずうずしてる姿に
きゅんと来て震えているだけです←
切島鋭児郎
…で、どっちなんだ…?
スッ…
緑谷出久
……!!
爆豪勝己
表だ
麗日お茶子
じゃ、じゃああなたちゃん!!
心のままに生きようッッ!!
あなた

………(ニコニコニコ)

パシッ【あなたの手を掴む】
あなた

!?

緑谷出久
大丈夫だよ!人は心が原動力だから。
心はどこまでも強くなれるよ!!
爆豪勝己
おいクソデグゥ!!
刀野郎の手ェ掴むなッッ!!
緑谷出久
えっ、えぇぇ!?
麗日お茶子
あはは…
麗日お茶子
ね、あなたちゃん…
頑張ってみない?
あなた

(コクッ

麗日お茶子
やったぁ!よし!じゃあ…
麗日お茶子
まず1番初めに聞いた
なんでコインで決めていたのか……
教えて貰えるかな?
あなた

(コクッ

あなた

私がコインで判断するようになったのは
今から10年前の事………










※過去編入ります
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
〜あなたの過去〜(6歳)
ドカッ
あなた

うっ…

あなた

痛い…お父さん…痛いよぉ…

お父さん
あ"あ"!?
喋ってんじゃねぇよ!
お父さん
お前は俺の道具なんだ……
大人しく俺に殴り蹴られてろ!!
ガッ
あなた

うぅっ!

おとーさーん、ご飯できたよ〜
お父さん
チッ…嗚呼、今行くよ。
お父さん
いいか、ここで大人しくしてろ。
もし逃げ出そうとでもしたら…
わかってるよな?
あなた

…………はい

私は親から虐待を受けていた。


その理由は、


『個性が奇妙』


が理由。


私の個性は『呼吸』


呼吸を使う個性の人はごく稀で、


人数が少ないのだという。


それにその呼吸は、


怪我などをして出血した場合、


呼吸を使えばすぐに止血できるし、


何より刀を使う個性だということで、


親戚からは『奇妙』など、『怖い』『近づくな』


なんて言われてきた。































その日の夜
お姉ちゃん……
双子の妹が私の部屋に来た。


私の事を心配して来てくれたのかな…




















そんなことを考えていた私が馬鹿だった。
さっさと消えろよ……
あなた

………え?

聞こえなかったの!?
さっさと居なくなってよ!
ここは私とお父さんと
お母さんがいればいいのよ!
私だけが愛されていれば
いいのよッッ!!
妹の個性は、親から受け継がれた


Flower(花)


花の名前を唱えると、


敵に花の茎が巻きついたり、


花弁を舞わせて、視界を防ぐという、


なんともヒーロー向きの個性。


親の個性を受け継いだのだから、


親の個性を受け継がなかった私より、


妹の方が愛された。










妹は彼処の味方だった。
消えろよ!
いなくなれ!
消えた方がいい?


このまま消えちゃえば…楽になれる?
でも私はまだ6歳。


一人暮らしなんて早々出来ない。


でも……楽になれるなら、『死ぬ』って言う


選択肢もある。
どうしようかな……
そんなことを考えているうちに、


1ヶ月と、日が過ぎていった。


親は私への暴力も段々と酷くなって行った。


その日からだろうか、私の中にあった


『感情』が消えていった。


親からどんなに酷い暴力をされても


『痛い』って感じなくなったの。


何日もご飯を貰えなくても、


『お腹がすいた』って感じなくなった。































私は家を出ることにした。
家の近くの公園のベンチで、座っていると…
???
姉さん…あの子
???
……あなたじゃない…?
???
あらあら…
???
あなた……!
声のするほうを見ると、そこには


蝶の髪飾りをつけた女の人が3人立っていた
その3人は、こっちに向かってきた。
カナエ姉さん


しのぶ姉さん


カナヲ
その時、約100年前の記憶が


徐々に蘇ってきた。
あなた

………

胡蝶しのぶ
またこんなにボロボロになって…
胡蝶カナエ
酷いことするのねぇ…
栗花落カナヲ
あなた、わかる?
カナヲだよ
あなた

(コクッ

胡蝶しのぶ
(売られたんじゃなくて
捨てられたんでしょうか……)
胡蝶しのぶ
(前世同様、体に傷の後が沢山………
ろくな大人がいませんね。)
胡蝶カナエ
あなた、私達と一緒に来ないかしら?
あなた

…………

栗花落カナヲ
………私また皆で暮らしたい!



そう言って、私は蝶屋敷へ。

























【蝶屋敷】
胡蝶カナエ
ただいま〜
神崎アオイ
おかえりなさい……って!!
どうしたんですかその子……
胡蝶しのぶ
あら、見覚え無いですか?
スッ〖あなたの前髪をあげる〗
神崎アオイ
!!
あなた…!
高田なほ
あなたさんですか?!
寺内きよ
お久しぶりです!
中原すみ
……ここに来ているということはまた…
栗花落カナヲ
虐待………
〖冷たい空気が蝶屋敷に漂う〗
中原すみ
ま、まぁ…!
これで皆さんお揃いになりましたし!
寺内きよ
今日の夜はたくさんのご馳走を
用意しましょう?
胡蝶しのぶ
………そうですね。
じゃあ私はあなたの
怪我の手当をします。
栗花落カナヲ
わ、私は料理作りたい……!!
胡蝶カナエ
じゃあしのぶとあなた以外は
料理作りましょうか〜
高田なほ
はい!
神崎アオイ
今日はあなたの好きなもの
いっぱい出しましょう!





















……
胡蝶しのぶ
姉さん……あなたったら全然ダメ!
前と同じ様に
言われないと何も出来ないの!
胡蝶しのぶ
食事もそう!
食べなさいって
言わなきゃずっと食べない!
胡蝶しのぶ
ずっとお腹を鳴らして…!
胡蝶カナエ
まぁまぁ、そんなこと言わずに
胡蝶カナエ
私はしのぶの笑った顔が好きだなぁ…
胡蝶しのぶ
だって!
胡蝶しのぶ
自分の頭で考えて
行動できない子はダメよ、危ない!
胡蝶しのぶ
ひとりじゃ出来ないのよ!
胡蝶カナエ
じゃあ…
スッ
胡蝶カナエ
1人の時はこの銅貨を
投げて決めたらいいわよ。
胡蝶カナエ
ね〜あなた。
胡蝶しのぶ
姉さん!!
胡蝶カナエ
そんなに重く考えなくたって
いいじゃない。
あなたは可愛いもの〜!
胡蝶しのぶ
理屈になってない!
胡蝶カナエ
ふふっ、きっかけさえあれば
人の心は花開くから大丈夫、
胡蝶カナエ
いつか気になる男の子でも出来たら、
あなただって変わるわよ


それから私は、なんでもこの


コイン銅貨を投げて決めた。





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


















私が話終わると、皆は静まり返った。
麗日お茶子
そうやったん……
八百万百
虐待…酷いですわ…
耳郎響香
辛かったよね…
うちら、あなたのこと
わかってあげられなくてごめん…
あなた

別に…皆が悪いわけじゃないから。

あなた

虐待の話はもう過ぎたこと。

あなた

これからはちゃんと自分の意思で
決められるように頑張る…

麗日お茶子
……!!
うん!応援してるよ!

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