ある日聞かれた。
麗日さんや耳郎さん、蛙水さんが
発した言葉に全員がこちらを向く。
みんな:(知りたいっ……!!)
『貸せ』そう言って私の手からコインを取る
爆豪さん。
ピンッ
パシッ
※大丈夫です。あなたちゃんのうずうずしてる姿に
きゅんと来て震えているだけです←
スッ…
パシッ【あなたの手を掴む】
※過去編入ります
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〜あなたの過去〜(6歳)
ドカッ
ガッ
私は親から虐待を受けていた。
その理由は、
『個性が奇妙』
が理由。
私の個性は『呼吸』
呼吸を使う個性の人はごく稀で、
人数が少ないのだという。
それにその呼吸は、
怪我などをして出血した場合、
呼吸を使えばすぐに止血できるし、
何より刀を使う個性だということで、
親戚からは『奇妙』など、『怖い』『近づくな』
なんて言われてきた。
その日の夜
双子の妹が私の部屋に来た。
私の事を心配して来てくれたのかな…
そんなことを考えていた私が馬鹿だった。
妹の個性は、親から受け継がれた
Flower(花)
花の名前を唱えると、
敵に花の茎が巻きついたり、
花弁を舞わせて、視界を防ぐという、
なんともヒーロー向きの個性。
親の個性を受け継いだのだから、
親の個性を受け継がなかった私より、
妹の方が愛された。
妹は彼処の味方だった。
消えた方がいい?
このまま消えちゃえば…楽になれる?
でも私はまだ6歳。
一人暮らしなんて早々出来ない。
でも……楽になれるなら、『死ぬ』って言う
選択肢もある。
どうしようかな……
そんなことを考えているうちに、
1ヶ月と、日が過ぎていった。
親は私への暴力も段々と酷くなって行った。
その日からだろうか、私の中にあった
『感情』が消えていった。
親からどんなに酷い暴力をされても
『痛い』って感じなくなったの。
何日もご飯を貰えなくても、
『お腹がすいた』って感じなくなった。
…
私は家を出ることにした。
家の近くの公園のベンチで、座っていると…
声のするほうを見ると、そこには
蝶の髪飾りをつけた女の人が3人立っていた
その3人は、こっちに向かってきた。
カナエ姉さん
しのぶ姉さん
カナヲ
その時、約100年前の記憶が
徐々に蘇ってきた。
そう言って、私は蝶屋敷へ。
【蝶屋敷】
スッ〖あなたの前髪をあげる〗
〖冷たい空気が蝶屋敷に漂う〗
……
スッ
それから私は、なんでもこの
コインを投げて決めた。
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…
私が話終わると、皆は静まり返った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!