俺は今、自分が使ったメモ帳を整理していた。
していたのだが、少しメモ帳を見てしまい、
その時の記憶が蘇ってきたりして、いつの間にか整理ではなくなっていた。
思い出に浸っていた。
その中には消したい記憶も、楽しかったことも、全てが含まれている。
消したい記憶を思い出せばそのメモ帳を捨てたくもなるが、
それも全て含め思い出だと考えると捨てられずにいた。
一冊を一通り見終わり、近くにあったメモ帳を手に取った。
僕夢メンバーとあったばかりの頃のメモ帳。
パラパラとページをめくる。
今の自分では信じられないような言葉が並んでいる。
自分でそう感じるほど、違いがあった。
飽きてきてページをペラペラとめくる。
最後のページ。
そこには乱暴な字で何かが書かれていた。
バサッ
メモ帳を落とすキラ。
乱暴な字で書かれたものを否定しようとする。
が、中には納得している自分もいる。
どれだけ今の自分と違っても、結局同じ人であることは変わりはないのだから。
フラフラと立ち上がり、部屋から出る。
メモ帳は、床に落ちたままにして。
ただの思いつきですが何か。(台無し)
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。