その日は何もない、いつもの日だった。
はずだった。
ペラペラとメモ帳をめくり、返事をする。
よく使う言葉は最初の方に書いており、それを使う。
どこが楽しいんだよ。あの爆弾を投げるだけの遊びが。
いや、待て。爆弾を投げることがおかしい。
慣れって怖いな…………………と思う。
慣れたくなかったが。
いや待て、あれは遊びじゃねぇだろ……。
即答。
今度からどこになんて書いてあるかすぐ分かるよう付箋を貼っとくか。
何が分かったというのか。
早めに付箋買うか。
お前のせいだな。
書きながら思う。
「伝える必要なくね?」と。
伝えたらなんか「着いてく!」みたいなこと言いそうだしな。
メモ帳とペンをポケットに入れ、歩き始める。
と言うノウは無視して。
ガチャ…パタン
玄関のドアを開け、外へ出る。
あぁ、何か、嫌な予感がするな。
店を目指し、歩く。
最近は料理のことを考えると頭が痛くなる。
ノウのせいだな。
ダダダダダダダダダダダダ……
どこからか走ってくる音が聞こえる
心の中でため息をつき、後ろを振り返る。
そして、右にずれる。
ズザザザザ……
前からぶつかるものが無くなったノウは止まろうとするが、急には止まれず。
だがまぁ、ここで時間をとるわけには行かないので、
無視して歩きだそうとした時。
手に、違和感を感じた。
それは一瞬だけだった。
でも、キラが気づくには十分だった。
タッタッタッタッタッタッタッタッタ……
走る。走る。走る。
ただ、ひたすらに。
だって、もしあいつに気づかれたら。
前に見える角を曲がって、走るのをやめる。
そして、もう一度手を確認する。
………さっきより、透けてきている。
あとは、ここで。
ここで、完全に透けるのを待つだけ。
ノウや皇さんや駒さん。
騒がしかったし、大変なこともあったが楽しかったは楽しかったのだ。
体がどんどん透けていく。
こんなことがあるってことも考えておけばよかったな_____。
思いつき。
キルが交通事故等で死んでもキラは消えるってお話。(伝わらん)
有り得えはするってだけだけど。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。