第11話

有り得る
65
2022/05/28 09:54
その日は何もない、いつもの日だった。




















はずだった。

ノウ
ノウ
冷凍くん!遊ぼ!!!
ペラペラとメモ帳をめくり、返事をする。
キラ
キラ
「無理」
よく使う言葉は最初の方に書いており、それを使う。
ノウ
ノウ
なんでよ!!楽しいじゃん!!いいじゃん!!
キラ
キラ
「楽しいのはお前だけだろ…」
どこが楽しいんだよ。あの爆弾を投げるだけの遊びが。
いや、待て。爆弾を投げることがおかしい。
慣れって怖いな…………………と思う。
慣れたくなかったが。


いや待て、あれは遊びじゃねぇだろ……。
ノウ
ノウ
じゃあ…料理は?
キラ
キラ
「却下」
即答。
今度からどこになんて書いてあるかすぐ分かるよう付箋を貼っとくか。
ノウ
ノウ
んー………わかった!散歩しよう!
何が分かったというのか。
キラ
キラ
「却下」
早めに付箋買うか。
ノウ
ノウ
めくるの早くなってる……………。
お前のせいだな。
キラ
キラ
「俺、買わなきゃいけない物出来たから」…
書きながら思う。
「伝える必要なくね?」と。
伝えたらなんか「着いてく!」みたいなこと言いそうだしな。
メモ帳とペンをポケットに入れ、歩き始める。
ノウ
ノウ
どこ行くのー???
と言うノウは無視して。







ガチャ…パタン
玄関のドアを開け、外へ出る。

あぁ、何か、嫌な予感がするな。
店を目指し、歩く。
キラ
キラ
(付箋と一応メモ帳…、夕飯…の材料とか買っとく…か)
最近は料理のことを考えると頭が痛くなる。
ノウのせいだな。





ダダダダダダダダダダダダ……
どこからか走ってくる音が聞こえる
キラ
キラ
(…はぁ)
心の中でため息をつき、後ろを振り返る。
そして、右にずれる。
ノウ
ノウ
ありゃっ…
ズザザザザ……
前からぶつかるものが無くなったノウは止まろうとするが、急には止まれず。
キラ
キラ
(そうだったな。言わなくても言ってもどっちにしろ来るんだったな。)
だがまぁ、ここで時間をとるわけには行かないので、
無視して歩きだそうとした時。
キラ
キラ
ッ…
手に、違和感を感じた。
キラ
キラ
(…なんだこれ。少し、透けてる?)
それは一瞬だけだった。
キラ
キラ
(…これ、は。)
でも、キラが気づくには十分だった。
タッタッタッタッタッタッタッタッタ……
走る。走る。走る。
ただ、ひたすらに。
だって、もしあいつノウに気づかれたら。
キラ
キラ
(絶対、面倒だ。)
前に見える角を曲がって、走るのをやめる。
キラ
キラ
(ここらへんなら、バレないだろ…)
そして、もう一度手を確認する。


………さっきより、透けてきている。
キラ
キラ
(多分、そういうことだろうな。)
あとは、ここで。
ここで、完全に透けるのを待つだけ。
キラ
キラ
(もう少し、時間があってもよかったかもなぁ)
ノウや皇さんや駒さん。
騒がしかったし、大変なこともあったが楽しかったは楽しかったのだ。

体がどんどん透けていく。
こんなことがあるってことも考えておけばよかったな_____。






思いつき。
キルが交通事故等で死んでもキラは消えるってお話。(伝わらん)
有り得えはするってだけだけど。





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