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第8話

幸福の在り処(R18)
14
2020/10/03 13:57
エリウッド達率いる軍は、遂にベルンにある暗殺集団、黒い牙のアジトに着いた。
氷の様に冷たい風が肌に当たり、息を少し吐き出す。
「よーし、ここがアジトかぁ。そういえば、ジャファルとニノっていう奴が任務に向かってるんだっけか。」
ヘクトルは腕を大きく振り回し、斧を片手に持ち肩に担ぐ。
「でも、敵が今まで強いかもしれない。慎重に向かおう。」
ヘクトルの隣に居たエリウッドは懐にある剣に触れ、扉を開けた。
だが、突然の事だった。
扉を開けたのはエリウッド、一人だった。ふと、エリウッドは後ろを振り向いたが、居たはずのヘクトルは居ない。何でだろう。頼りになる相棒が消えた様な感触に陥った。
兎に角、敵に見つからない様白い壁を伝い歩き、ゆっくりとだが、歩幅を速める。
「……あぁ。そういう事か。」
歩くのを止めたエリウッドはしゃがみ込み、その場に蹲るよう、静かに目を閉じた。

黒い牙首領の後妻、ソーニャに依頼を受けた【四牙】の【蒼鴉】の異名を持つ、ウルスラは不審な者が居ないか、確認の為歩き回っていた。
「…特に居ないね。この位設備をしていれば、大丈夫かしら。」
ウルスラは一つのメモ用紙に書き留め、自室に戻ろうとしていた。その時だった。
右角を曲がれば、ウルスラの自室が見える場所から、蹲っているエリウッドが、其処に居た。
「あら…?あの子、確かソーニャ様が言っていた……」
ウルスラは蹲るエリウッドに向け歩き出し、座り込んだ。エリウッドの表情は見えないが、ウルスラは優しくこう説いた。
「貴方、もしかしてエリウッド?」
エリウッドはふと、呼ばれたような気がしてゆっくりと顔を上げる。目の前には、微笑むウルスラが此方を向き、橙色の髪を優しく撫でようとした、その刹那。
「……殴らないで。」
エリウッドの静かで恐怖が織り混ざり、怯えた表情に豹変ぶりをウルスラに見せていた。
「エリウッド…どうしたの?私は貴方に暴力を振るわな」
「ご、ごめんなさい!お願いですから、殴らないで下さい!蹴らないで下さい!お願いですから……。」
叫びと泣きじゃくりが、響き渡る。一瞬にして、砕け散る様な、そんな表情が、ウルスラを失望させていた。
「……どうして?何がこの子を貶めていた…?何があったの…?」
流石のウルスラも、状況が飲み込めなかった。壊れた様に、震える様に怯え出すエリウッドの身に、何が起こっているのかを。だが、ウルスラは考えようとしたが、浮かばなかった。ふと、言葉より身体が動き出した。
「……エリウッド。私の部屋でお話しましょう…。貴方が起こっていた事、ゆっくりでいい。」
優しく包み込む様に、エリウッドを抱き締めるウルスラは、自分はこの選択しか無いと、酷く後悔をした。

エリウッドに自室を招いたウルスラは、落ち着かせる様に彼を寝室に座らせる。
「さて、エリウッド。」
ウルスラはエリウッドの手元に置いた、一つの小さな小瓶。彼にそれを見せてから、こう言った。
「貴方がもし、話せそうな所があったら言ってみて。」
エリウッドはウルスラの表情を見詰めてから、ゆっくりと頷く。
「…分かった。話すと、長くなってしまうが……。」
「構わないわ。」
エリウッドは、辿々しい部分もあるがウルスラに自身が起こった事を、包み隠さず話した。
まず、一つ目。エリウッドは仲間に罵倒や性的暴行に遭った。それも酷く、エリウッドが抵抗すればする程、怪我も酷くなり、彼の腕には赤黒い痣が所々目立っていた。恐らく内出血を起こしていたのだろう。
次に起こった事。エリウッドの親友、ヘクトルに裏切られた事。それについての原因は、既に分かっていた。
エリウッドとヘクトルと一緒に行っていたある女性に嵌められたらしい。それに関しては、元【黒い牙】所属だったラガルトから本部に伝達事項として届けていた。
「…言えるとしたら、ここまでだが…。」
全てを言い終えたエリウッドは、深く息を吐き、両手に力を入れていたが、少し緩んでいた。
「……そう。辛い思いをずっとしていたのね。でも、大丈夫よ。此処は貴方を暴力振るう事は、絶対にしないわ。」
エリウッドを安心させる様に、ウルスラは彼の両手を優しく握り締め、ふわりと笑みを浮かべた。
「…それは、本当かい?」
今にも彼の瞳から涙が溢れそうになり、希望が見える様な表情に変わっていた。
「…えぇ。私が貴方を守るわ。」
涙腺が弱くなり、エリウッドはウルスラの腕の中で、嗚咽を交えながら涙を流した。ウルスラはエリウッドを優しく抱擁し、橙の髪をなぞる様に撫でる。
大分落ち着きを取り戻したのか、エリウッドはウルスラの腕の中から離れる。
「…ウルスラ、ありがとう。少しずつだけど、君達の事を信用出来そうだ。」
安心しきっていたのだろうか、エリウッドは彼女に微笑みを表情にしていた。
「そう……。それは良かったわ。」
ウルスラの中で、何かが切れた様な音が部屋中に聞こえ出す。エリウッドにとって、何か彼女の身に何が起こっていたのだろうか、慌て出しウルスラに声を掛けようとした。
だが、その時だった。
ウルスラはエリウッドの頬に手を触れ、前屈みになり彼の唇と合わせた。突然の事により、エリウッドは顔を赤らめ、どういう状況なのか掴めず、ただ驚きを隠せていなかった。
数秒という空間だろうか、ウルスラはやっとの事エリウッドの唇を離し、恍惚感が溢れる様な笑みを溢していた。
「ふふ…あの子の仲間達は、勿体無い事をしたわね。こんなに可愛いのに、何で突き離したのかしら…。」
エリウッドは、彼女が言っている事は全く理解していなかった。何かに囚われているのだろうか、それに引っ掛かり、徐々に不安が募り出す。
「ウルスラ、何を言っているんだい?」
恐る恐るだが、エリウッドはウルスラに問い掛ける。彼女の身に何があったのだろうか。その事に頭がいっぱいだ。
「…貴方は気にしないで。私の独り言だから、ね?」
再びウルスラは彼の髪を優しく撫でる。それも、玩具を壊さないような、そんな撫で方を。

エリウッドは、何か引っ掛かっていたものがあったが、それを余り気にしない様と決め、やめた。
別にウルスラ自身が狂う事は無いし、エリウッドはただ、彼女に心を開こうとしているだけ。それだけの事だ。
だが、何かの歯車が突然狂い出す様に、軋み出す音がした。
それは一体誰の歯車なのだろうか。
エリウッドか、それともウルスラだろうか。二人では無いのもあり得るだろう。それか【四牙】の中の誰かかもしれない。

エリウッドが寝静まった頃、ウルスラは自室を後にし、ソーニャに報告をしようとした。その時だった。
「ウルスラ、そんな所でどうした。」
彼女に声を掛けたのは、黄金の髪色で、西洋風のロングコートを羽織っていた、ロイドだった。
もしかしたら、ロイドはエリウッドがこのアジトに匿っている事は、知らないかもしれない。
「ロイド…。ソーニャ様、何処に居るのかと探していたわ」
「あぁ、ソーニャか。確か遠出でいつ戻るか分からんそうだ。」
ふ、とロイドは小さく息を吐き、ウルスラを再び見上げる。
「そう…。ねぇ、ロイド。エリウッドが此処に居るって事は知っているかしら…?」
「は?」
ウルスラの発言により、ロイドは素っ頓狂な声をあげ、呆れていた。
やはり、ロイドは彼がアジトに匿う事は知らなかったそうだ。だが、何故だ。エリウッドが此処に侵入でもしたのだろうか。
「どういう事だ、ウルスラ。お前も分かっているだろう。このアジトに侵入した者は、真っ先に暗殺する事を忘れたのか?」
「えぇ…それは分かっているわ。でも…」
ウルスラはふと目を逸らし、エリウッドのあの時の表情を思い出し、冷や汗が頬をつたっていた。
「彼…エリウッドは、戦う事を酷く拒んでいるわ。精神も既に壊れて、挙げ句の果てには仲間に捨てられたそうよ。」
ウルスラが口を動かした、信じがたい真実。ロイドも流石に状況を整理するには、とても難関だ。
「…エリウッドは何処に居る?お前の部屋か?」
「…えぇ。今は、静かに眠っているかしら。」
ロイドはウルスラに、『じゃあ、後でな』と告げ口をこぼし、ウルスラの自室に居るエリウッドの元へ向かった。

「エリウッド、居るか?」
ロイドは小さく、ノックを二度程叩く。だが、エリウッドの反応は無い。まさかとは思うが、彼の身に何かがあったのだろうか。
呼吸を整え、ロイドはドアを開けた。
「…エリウッド!?」
ロイドはエリウッドの元へ駆け出し、羽毛布団を捲りあげた。彼は、泣き出しそうな表情で如何すればいいのか分からず、彼の下半身から膨らみ出してるモノを処理しようとしていた。所謂、自慰行為だ。
エリウッドは、呆然としているロイドに見られたのだろうか、突如怯えだし首を横に振るう。
「あ、や、だ。み、みないで」
恥ずかしさというより、恐怖感が身体中に溢れているのは、ロイドは既に分かっていた。彼が仲間に性的暴行に遭った事は、ウルスラから話を全てくまなく聞いたらしい。
「…エリウッド、落ち着け。俺は無理矢理犯すつもりでは無い。」
ロイドはエリウッドの頬に触れ、彼を落ち着かせようとした。少しだが、彼は落ち着きを取り戻したのか、ロイドの胸の中に顔を埋めた。
「……えっと、確か君はロイドだよね?」
恐る恐るエリウッドは、ロイドに問う。先程の怯えは大分無くなったが、今は少しだが不安になっていた。
「あぁ、そうだ。それで、どうした?やり方がわからないのか?」
ロイドはエリウッドの顔を、両手で軽く触れ、表情を伺う。怖いというより、何処か暖かさが身体に感じていた。
エリウッドはロイドのその質疑に、恥ずかしさもあるが、小さく首を縦に振る。
「そうか。じゃあ、俺が教えてやる。」
ロイドはエリウッドのそそり立つモノを、ゆっくりと軽く上下に動かした。
エリウッドの身体中から熱が溢れ出て、誰かが見ているかもしれないと、両手で口を塞ぎ込む。
「…ふ、ぅ」
「エリウッド、此処は誰も来ないから大丈夫だ。」
くい、とロイドはエリウッドの顎を引き、彼を安心させる。
「お前が、仲間に性的暴行された事はウルスラから聞いた。乱暴に犯されていたか、薬や玩具等で弄ばれた…その二つの選択肢しか無い。」
エリウッドの身体には、所々に赤黒い痣があり、必死に抵抗をしても、仲間に暴力を振るわれていた。彼に傷が付こうかつかまいか、仲間はそれに対してどうでも良かったらしい。ただ、絶望感のある表情をする彼を、見たかっただけかもしれなかったとか。痛いとか助けてとか、その言葉を口に出そうとしても、殆ど恐怖に覆われてしまったのか、言えずじまいになってしまった。
「う、ロイド……。」
段々と声が小さく怖ばり、再び震え出し、ロイドの腕を強く掴むエリウッドを、ロイドは優しく彼を抱き締め、頭を撫でた。
「苦しかっただろう…。だが、これだけは信じて欲しい。俺は【四牙】の奴等に、お前の事情を全て話した。俺達…いや、【黒い牙】はお前を暴力振るったり、傷付けたりしない。」

あぁ、これだ。僕は、その言葉が欲しかったんだ。

ロイドの言葉を受け止めた瞬間、青く純情な瞳から、溢れそうになった大粒の雫が、ぽたぽたと頬につたい、大声をあげ、遂に泣いた。
泣き喚くエリウッドを、落ち着くまでこの状態を保ちながら、羽毛布団を彼の身体に覆わせた。
「…落ち着いたか?」
吹っ切らせ、沢山泣いたのだろうか、瞳が若干だが充血していた。
「あぁ…。」
ゆっくりと頷くエリウッドは、恐怖も絶望感も無く、ただロイドを見つめ、ふわりと笑みを零した。

さて、ロイドはまだ、エリウッドの性処理を終えてないと既に分かっていた。彼を落ち着かせたらでいいのだろうかと、ふと思い、口に出した。
「…落ち着いた所悪いが、続きをするか?」
「君で良ければ……いい、よ…。」
エリウッドの承諾を終えたロイドは、彼の腰へ腕を回し引き寄せる。
「じゃあ、するぞ。俺に身体を預けてくれ。」
エリウッドはその場でゆっくりと頷き、ロイドに自分の身体をくっつかせ、添い寝の姿勢をした。
ロイドはエリウッドの亀頭に手を伸ばし、優しく指をつたい、流れる様に触れ出す。
突然の刺激を与えられ、エリウッドは身体全体揺れ出し、口から甘ったるい声が漏れ出した。
「エリウッド、ここが気持ちいいんだな?」
まるで意地悪をする様な、そんな企む笑みをするロイドは、更に刺激を与えようとするのか、今度は強く握り、上下を動かし、擦り付けた。
「んぅ、ぁっ」
喘ぎと苦しさが混ざり、頭の中がぐちゃぐちゃになる程の快感。如何すればいいのか分からず、ただエリウッドは、ロイドに任せるしか選択が無かった。

数分経ったのだろうか。エリウッドも、限界が近付いて来たのだろう。ロイドが彼の快楽の部分を探している最中、震え出す身体に、陰茎の熱が篭り始め、今にも白濁色の液状が、出そうになりそうだ。
「ろ、ロイド……何か、出そう……」
エリウッドは、恐る恐るロイドにしがみつき、何が起こるのか分からなくなり、ひゅうひゅうと短い吐息を混じえながら、口を小さく動かした。
「そうか…。あまり溜め込まず、此処で出せばいいんじゃないか?」
ロイドはエリウッドの顔を合わせながら、頭上をこつんと、軽く当てる。
その刹那。エリウッドの身体が震え出し、それを見たロイドは彼の身体を再び抱擁し、そして
「あ゙、あ゙あぁっ!」
エリウッドはロイドの腕の中に顔を埋め、遂に彼の服に向かい、鈍い音と共に、熱を帯びた白濁の液状を、べしゃりと沢山吐き出した。
この行為、快感事態が気持ち悪いというより、頭の中がふわふわとし、今何が起こっているのか分からず、ただただ呆然とその場で硬直した。


処理を全て終え、ロイドはエリウッドとの行為で汚れた服を洗濯へ放り込み、自室へ戻った瞬間、突如ロイドの頬が赤くなっていた。
「………そういう事か。」
それが恋心というものか、それとも何かに引っかかいているのか、それはロイド本人にも分からなかった。