碧 side.
母の大きな声で今日も起こされる。
その声より少し小さな声で返事をする。
今日も着たくないスカートとリボンのついた制服を着る。
ボクの短い髪に似合わない制服。
でも母は着てくれるならそれでいいんだそう。
支度を終えたら1階に行き、歯磨きやトイレなどを済ませ、朝御飯を口に運ぶ。
少しでも男のような口調で話すと怒られるから、何時も女のような口調になおす。
正直面倒くさい。
時計を見ると針が7:57を指している。
もう直ぐ家を出ないと。
勿論、こんな笑顔作っているに決まってる。
母には本当の笑顔を見せたことなどこの性格になってから一度もない。
ガチャッと家のドアを開けるといつも一緒に登校している親友が待っていた。
この子は幼稚園からの親友、黄瀬莉夢。
ボクのことを話しても何も言わず、受け入れてくれた。
この人は莉夢の彼氏、佐藤悠馬。
一応1個上の先輩。
この人もボクのことを受け入れてくれた。
莉夢のお陰で一緒に登下校しているから仲良くなった。
タメ口はやっぱり慣れない。
直ぐ落ち込むところ、先輩だけど不覚にも可愛いと思ってしまう。
莉夢が返事をするとボクと莉夢は一斉に駆け出す。
先輩を置いて、笑
この2人と過ごしているとなんだか、時間があっという間に感じてしまう。
学校に着いて、授業を受ける。
2人とも教室が違うから正直寂しい。
2人は何時も2限目が終わるとボクの教室に遊びに来る。
先輩は別の階だから疲れるはずなのに、息なんて1つもきれていない。
陸上部だからなんだろうけど、そういうところは尊敬する。
でも、先輩は女子から人気だからあまり大声で呼ばないでほしい。
後で絶対何か言われるから。
と言いながら頭に拳をこつんっと当てている。
その姿はあざとい、と言える。
と言いながら敬礼のポーズをする莉夢。
と言い、手を振る。
2人が帰ったら女子に先輩の連絡先教えて!と言われる。
連絡先はボクも持っていないから何時も断っている。
この為に口と手を動かすのは面倒くさい。
4時間目が終わって昼休み。
2人の担任は授業を切り上げるのがはやいから、多分もう屋上に居るはずだから急いで行く。
勿論弁当が崩れないように。
ガチャッと屋上のドアを開ける。
すると、2人が此方を見て「こっちこっち!」と言いながら笑顔で手を振っている
2人と居ると自然と笑顔になってしまう。
2人の前だと心を開けるから。
パチンっという音が響く。
その音がした直後に「いただきます!」という声も響く。
ボクは白御飯を口に運んだあと、卵焼きを口に運んだ。
家では出せない口調。
言い方を変えれば此処なら出せる口調。
誰も否定しない場所。
莉夢の大袈裟な反応に思わず口角が緩む。
こうやって笑って過ごせるのもあと少し。
あと2ヶ月もしたら先輩は3年生になって忙しくなる。
ボクたちも進路のことを真剣に考えないといけなくなる。
なんて思ってるのも束の間。
直ぐ莉夢が質問をする。
と言うとグッドポーズをボクの目の前に出す。
そう、チャイムが鳴る2分前だったのだ。
と言うと今度は"3人で"一斉に駆け出す。
やっぱり3人揃うと楽しい。
そう思っていると、
__キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
と大声を出しながらこれまでに無いくらいの速さで走る。
ガラガラガラッ!
と先生にジェスチャーをしながら謝る。
席に着くと陸上部の先輩には適わないから直ぐ息が漏れる。
と笑いながら聞いてくる隣の席の斎藤佑亮。
そうこうしている間に5限目が終わるチャイムがなり、5分間の休み時間の始まりだった。
すると、
部活の先輩に呼ばれ、教室のドアの近くに向かった。
そう言い、先輩は去っていった。
その姿を見届けてから自分の席に座り、次の時間の準備をした。
そうしていると6限目が始まるチャイムが鳴った。
そういい、くっつけていた机に教科書を広げた。
といい、ふはっと笑う斎藤。
それにつられて口角を上げる。
といいつつ何時もの速度でノートをとる。
そうしていると6限目終わりのチャイムが鳴り、帰りのHRが終わった。
部活に急ぐ。
そういい、体育館に向かった。
結構長くなっちゃったり夜分遅くに投稿してごめんなさい🙏🏻💦
キャラの詳細とかはアイコンタップしてください❕💗
次は部活です❕🙌🏻
じゃあ、おつこゆ!
✎3143文字✍🏻
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。