ラウール「昨日大丈夫だった?」
『なにが?』
ラウール「一人で帰らせちゃったから」
『んー、大丈夫では無かった』
ラウール「えっ!?」
ラウール「もしかして誰かに絡まれた!?大丈夫?怪我してない?」
『………心配しすぎ』
『俺、高校生なんだけど…?』
ラウール「でも、可愛い顔してるから心配なんだよ〜」
ラウール「フードしてるって言ってもさ、外されちゃったら可愛いのバレちゃうし」
『……』←
ラウール「それにあなた力ないし抵抗もできないから」
『………』
ラウール「あ…ごめん」
『俺の事バカにし過ぎだってば!』
『仮にも俺男だし』
ラウール「そう言う問題じゃないんだよなぁ…」
『げっ…』
「いや本当だって!!」
「ないない、男子校に可愛い子なんて」
「いやマジなんだってば」
ラウール「行かないの?」
「……あ」
「いたいたいた!!!あの子!!」
『ごめん、早く行こ』
「待ってよ」
「覚えてる?昨日の」
『…………田中、、』
樹「そうそう田中!」
樹「ねぇ、田中じゃ距離あるし樹って呼んでよ」
『……』
「マジで可愛いの?」
田中「フードしてるから分かりにくいけど、普通に可愛い!」
「樹が言うんだし本当じゃない?」
「俺、菊池風磨よろしく」
「…渡辺翔太」
『…興味ない』
『ラウ行こ』
ラウール「え…あ…すいません!失礼します!」
渡辺「何なのあいつ」
菊池「あの子って1年だよね?」
樹「うん、俺らと同じ」
菊池「ふーん…」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!