第20話

別れたきっかけ
284
2018/11/11 12:02
~未恋side~
祐基くんと付き合い始めたのは、中学2年生の頃だった。
私は、祐基くんのことが好きで、告白をしたら、始めは振られてしまった。
でも、数週間経ち、OKを貰えた。
彼は、純粋で、優しくて、ほとんど何の苦も味わうことはなかった。
しかし、時々、私が話しかけても上の空で、心ここにあらずのような状態の時が、度々あった。
そんな時は、いつも「あの子」のことを考えていたのだろう。
私は、辛くならないように、寂しさを必死に堪えた。
しかし、高校受験が近付いて来た、3年生の11月頃、祐基くんから、別れを告げられた。
その時、彼が言ったことは、「勉強に専念したいから」だった。
でも、本当は違っていたはず。
彼は、「あの子」のことが忘れられなかったのだろう。
そして、転校して再会した時も、それは変わっていなかった。
私は、祐基くんのことが好きだけど、祐基くんは…「あの子」のことが…水城さんのことが好きなんだね。
でも、私は…

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