ピピピ...
壱馬「ん...」
翔平「おきろぉーーーい!!」
壱馬「はぁーー」
翔平「ほら、顔洗ってこーい」
壱馬「うん」
これが俺のいつもの朝。
顔を洗い、スマホを手に取り、何となく寮から外に出る。
そして俺はイヤホンを取り出し、ある歌を再生する。
これが俺の、日課。
君が遠くに⾏ってしまって
もう会えないとわかっていたって
僕は探すよ
君の姿を
君じゃなければだめなんだ
出会えた頃とまた同じように
恋して 恋して
また笑ってよ
笑ってよ...
昔よくあいつにそんなこと言われたっけな...
無意識に俺は怖い顔してる時があるらしく、そんな時よくそう言われた。
あの頃は、心の底から笑えたことが当たり前だった。
それは、あいつが隣にいてくれたから。
最近、笑えてない。
それは多分、あいつが居ないから。
あなたは笑えてるかな。
笑えてないんだったら、それは俺のせいだったりして、
俺が隣にいないせいで笑えていない、
そんなだったらいいのにな。
まぁ、そんなわけないか。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。