季節は変わり、もう春になる。
そして私はある人を思い出す。
中3 夏。
あなた 「ねぇ!壱馬っ!!!!」
壱馬 「何ー?」
あなた 「壱馬はさ、もう進路決めたのー?」
壱馬「あー、うん。」
あなた 「え!どこの高校行くの?!」
壱馬 「俺さ、アーティストになりたいんだ。」
あなた 「え...?」
嘘でしょ...?う、嘘、だよね、...
壱馬、そんなこと考えてたの...?
なんで幼馴染の私に黙ってたの?というよりも幼馴染なのにそんなことも知らなかった自分に腹が立った。
でも.....でも.....
わたしは...
あなた「そっかぁー、壱馬ならなれるよ!絶対!」
本当は、ずっと一緒にいたかった。高校に入っても、毎日一緒に登下校して、離れず隣にいてくれると思ってた。そのつもりだった。
でも、私の口からは思ってることと真逆の言葉が出てきた。
そして、わたしは高校を卒業し、大学に進学した。
壱馬は無事に夢を叶えてTHE RAMPAGEというLDHのグループに入った。
それから毎日、私が壱馬のことを考えない日はなかった。
わたしはあの時のままで、今もなお壱馬に...
恋をしている。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!