私には、一日も欠かさず聴き続けている曲がある。
中2、冬。
私と壱馬はいつものように壱馬の家でゲームをしていた。
そこで私はある曲を壱馬に紹介することを思い出して、イヤホンを差し出した。
あなた 「そうだ!ねね!壱馬っ!!」
壱馬 「?...」
あなた「はい!聴いて!」
そう言うと壱馬は黙ってイヤホンをつけて聴いてくれた。
私がこの歌を聴かせたのには、ある理由がある。
物語が僕を拒んだって
誰かが運命を定めたって
会いに行くよ
どこにだって
探し続けるよ
出会えた頃とまた同じように
恋するよ
そう、まさにこの歌詞は私だ。
私の、あなたへの想い。
届くことの無い、この想い。
わたしは壱馬がどんなに遠いところにいたって、住む世界がちがくたって、壱馬が好き。壱馬だけを好きでいれる自信があった。
初めて壱馬に会った幼稚園の入園式。
そこで私は壱馬に恋をした。
その時から今までずっと、片思い。
私じゃ無理なの。駄目なの。
終わらせたいけど終わらせることの出来ない、切ない恋なの。
もう、二度と会えることはないのかな...
会いたい。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!