第22話

二人だけの夜
16,590
2022/08/01 11:30
真っ暗な夜。
ほとんどの世の人々はもう夢の中にいる時間。
だと言うのに....


ガチャ
加賀美ハヤト
配信お疲れ様
あなた
.......社長、こうやって深夜に突然家に来るのやめてくれません?
加賀美ハヤト
まあまあ、そんなこと言わずに。ほら、あなたの好きなお酒買ってきましたから
あなた
........どうぞ
加賀美ハヤト
わーい(笑)


***



まぁ、なんだかんだ言って社長とお酒を飲みながら話すのは楽しいし、
このまま社長の深夜突撃が続くのも悪くないな。



加賀美ハヤト
凸待ち、凄い人来てましたね
あなた
本当、有難い限りですよ
加賀美ハヤト
灰くん、「あなたさんは俺のお姉ちゃんだから」って言ってましたね。本当は私の妹なのに(笑)
あなた
この間は「義理の兄妹だ」って言い張ってたのに、随分と都合がいいですね
加賀美ハヤト
ただ優越感に浸ってるだけですよ
加賀美ハヤト
これもね



そう言いながら、社長は自分の首元に手をやる。

その首元には今まさに私がつけているネックレスの姿。

不意に今日の配信で視聴者が言っていたことを思い出す。

あなた
あっ、それ!なんで勝手にお揃いになんか.....
加賀美ハヤト
嫌でしたか?
あなた
別に.....嫌ってわけじゃないですけど.....
あなた
今度からそういうことは先に言ってください!恥ずかしいので!
加賀美ハヤト
分かりました(笑)
加賀美ハヤト
ていうか、なんか小腹すきません?久々にあなたの手料理食べたいなー
あなた
今日は疲れたので無理です。いつものカップ麺ならそこの棚にありますよ
加賀美ハヤト
えぇ、あなたの手料理じゃないならいいです
あなた
.....
 

*** 

あなた
私そろそろ寝ますね。社長は?今日も泊まっていきます?
加賀美ハヤト
.....はい
あなた
わかりました。じゃあそこのソファでも使って寝てください。ベットは私のものです
加賀美ハヤト
はいはい、わかってますよ(笑)
あなた
じゃあ、おやすみなさい
加賀美ハヤト
おやすみなさい


***


あなた
朝か.....


重たいまぶたを擦りながら、社長のいるリビングへと向かう。

あなた
まだ寝てる......


すやすやと眠る社長の顔を覗き込む。



相変わらずまるで女性のように綺麗な顔つきだ。


あなた
社長、起きてください。朝ですよ〜
加賀美ハヤト
ん........


寝ぼけた社長が私の肩に手を回し、そのまま抱きしめられる。



こんなこともう慣れた。


あなた
社長!いい加減起きてください!
加賀美ハヤト
うーん.......あなた.....?どうしたんですか?今日は甘えたい気分なんですか?


そう言って今度は苦しいくらいに強く私を抱きしめる。


あなた
ばか!違いますよ!社長が寝ぼけて抱き締めてきたんでしょう!?
加賀美ハヤト
ふふっ、怒ったあなたも可愛い。大好きですよ
あなた
まだ寝ぼけてる......


寝ぼけているのだと分かっていても、こんなことを毎度されては気が狂う。



力が弱まってきた社長の手をどかし、そばを離れる。


あなた
社長、朝ご飯作ってあげますから、起きてください。
加賀美ハヤト
あなたの手料理ですか!
あなた
こんなに早く起きるなら、初めからこれを言えばよかった.....


















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凛
皆様、⭐︎1600本当にありがとうございます!
凛
そして、今日の21:00に【新作】を出します ... !
楽しみにしていてください!✨

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