突然話しかけてきた男は、「加賀美」と名乗った。
時々この施設に寄付されるおもちゃはこの人の会社で作られたものだったらしい。
でも.....
その時の加賀美さんは貴重な子供からの意見に目を輝かせていた。
その日から、加賀美さんはよく私に会いに来るようになった。
おもちゃの意見を聞くのはもちろん、一緒に遊んでくれたりもした。
加賀美さんと話していると、心が満たされていくような気がした。
加賀美さんと初めて会った日からずっと思っていたことが、
心からこぼれてしまった瞬間だった。
それから私が加賀美さんの養子になるまで、時間はかからなかった。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。