トイレの中で
ふと思い出した
……人に見られると色々面倒だぞ??
ササッと用を足してリビングに戻る
リビングにはまだ誰もいなかった
急いで紙をしまった
私ったら、しっかりしなさ過ぎ
これじゃあいつかボロが出るよな……
とか考えながら時計を見ると
そろそろ8時
大体この時間から起きてくる人が出てくるだろーな…
なんか、
変な感じ
マネージャーとして起きたばかりの皆さんを見たことはあるけど
寝るのも見て起きるのも見るなんて……ㅎㅎ
変な感じㅎ
ってまた私、こんな事で笑っちゃって
もうちょっとしっかりしなきゃ
修学旅行じゃないんだから
自分のほっぺをパチンと叩く
痛っ〜ㅠㅠ
ヒリヒリするほっぺを抑えながら
充電させてもらってたスマホを手に取る
通知が3件
1つはミリから
1つはお兄ちゃんから
そしてもう1つは。
滅多に連絡のないジュヒョクおっぱからカトク
珍しいっ!
そう思ってメッセージを確認すると
「会いたい」
その四文字が
おっぱ
連絡してくれてたんだ……
私ったら気付かず…
ぽつりと呟きながら
返事をする
「私も会いたい」
きっと
このメッセージへの返信は夜になっても来ない
仕方ない
忙しいんだもの
頭では分かりつつ
心では分かってあげられない
カトクの中の彼に
笑いながら
精一杯の寂しさを込めながら
そう伝える
これの返事も返って来ない
上にスクロールして
今までのカトクを遡ると
2人の時間が巻き戻ってくる
あぁ
楽しかったな。
でももう全部過去のこと。
これから先溢れてくることと言えば
日を重ねる毎に有名になるおっぱ
そんなおっぱと会う回数がどんどん減って
独り歩きを始める私の気持ち
そんで
悲しくなって
たまに会えたおっぱに
当たっちゃって
愚痴をこぼしちゃって
おっぱを困らせて……
考えれば考えるほど悪いことばっか浮かんできちゃう
頬をつたる感触を拭って
カトクのタブを消す
そうして私は
泣いたのがバレないように顔を洗いに部屋を出た
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。