第26話

俺だけじゃないんだ。
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2019/10/12 00:12
はじめside
早くあなたちゃんの話を聞きたくて…
君を、安心させたくて。
俺は来た道を出来るだけ走っていった。
ガチャ
ドアを開け、走ろうと思った瞬間。
あなた

うっ…うう

はじめしゃちょー
(…!)
はじめしゃちょー
(あなたちゃん、泣いてる…の?)
俺はあなたちゃんを出来るだけ脅かさない様にゆっくりと階段を登っていった。
でも、暖簾をぐぐる瞬間。
やふへゐ先生
あなたちゃん。君は、今の選択肢で合ってると思う?正解だと思う?
ようへいくんが、今一番聞きたかった事を聞いてくれた。
あなた

うん。

やふへゐ先生
…な、なんで?
あなた

だって、こ、のせんたくし、選ばなかったら、やふくんに…会えてなかったから。

そう言ったとき。
俺は見たんだ。ようへいくんがあなたちゃんの喉元にキスするのを。
ようへいくん。頭いいから知ってるでしょ。
喉元にキスすることは「欲求」を意味してるって。
はじめしゃちょー
(なんだ。あなたちゃんのこと狙ってたの。俺だけじゃないんだ。)
ゆっくりとばれない様に階段を降りてゆく。
彼女の意思を知れたと同時に何かモヤモヤとしたものが心を覆っていった。

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