第9話

早く気づいて(2)【テヒョン ジン】
1,511
2018/07/03 14:13
ジンside

テヒョンは1週間くらいで退院した。

結局僕は
テヒョンが入院中、
見舞いには行かなかった...
んー...正しくは行けなかった。
どんな顔でテヒョンに会えばいいのかわからなかったから

みんなが、
「テヒョン、だいぶ元気になってましたよ」
とか話はしてくれて安心はしてた。
でも、
ジミンが、
「テヒョンが「ジンヒョンは?」って言ってましたよ。辛いのわかるけど行ってあげたらどうですか?」
とカトクをしてくれた時もあった。
でも、行けなかった...

今日は、
テヒョンが退院して家に帰ってくる

お祝いに、
クッキーでも作ってやるか(笑)
食べたら思い出すかも。
テヒョンが...好きだと言ってくれた僕のクッキー。

付き合い始めてすぐくらいの時に、
初めてテヒョンに作ったクッキー。
クッキー作るのも初めてだったから、
見た目が最悪なクッキーだったのにテヒョンは「ジンヒョン、美味しい。また作って」
って笑顔で言ってくれた。

そんなことを思い出しながら、
クッキーを作った。

作り終わって、
キッチンでいると
病院に迎えに行っていたマネヒョンとテヒョンが帰って来た。

「ジンヒョン、ただいま帰りました。病院なんで来てくれなかったんですか?寂しかったよ(笑)」
と笑いながら言う。

僕は「ごめん...」としか答えれなかった。

「いや、別に気にしてませんけど」

「テヒョン、退院祝い!良かったら食べて?」
と、テヒョンに作ってきたクッキーを渡した

「なに?なに?」
とテヒョンは入れてあった袋を開けると1つ手に取り、「すんごい形(笑)」と笑いながら食べた。

僕はその様子をじっと見ていた

「そんなに見られたら恥ずかしいよ(笑)でも、すんごい形だけど...めちゃくちゃ美味しい。あのさ...ジンヒョン、このクッキーって...僕食べたことあります?」

その言葉にビックリして、
「あっ、うん。食べたことあるよ」
戸惑いながらも答えると...

「やっぱり、そっかぁ。でも...いつなのか思い出せないんですよね(苦笑)」
と複雑な表情をした。

僕達がそんな会話をしていると、
みんなも次から次へと
起きてきてリビングにやってきた。

つづく

プリ小説オーディオドラマ